【Vuelta a España 2019】Descanso3
こんにちは、オーストラリア・ブリスベン在住のスポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
8/24~9/15までの間、グランツールのひとつブエルタ・ア・エスパーニャ(la Vuelta a España、以下:ブエルタ)についての記事を毎日更新していました。
今日は、第3週(第16ステージ~第21ステージ)を振り返りましょう。
第3週の記事まとめ
第2週のまとめ記事はこちらからご覧ください。
第17ステージ
- Aranda de Duero>Guadalajara
- 平坦
- 219.6km
- ステージ優勝:フィリップ・ジルベール(BEL/Deceuninck-QuickStep)
スタート前から警戒されていた横風によって、アクチュアル・スタート直後から集団は2つに分断。
前方にいた50人近い選手で形成された大集団がそのまま逃げグループに。
この集団にはGroupama-FDJとKATUSHA ALPECIN、COFIDISを除く19チームの選手が入り、Deceuninck-QuickStepに至っては7名がこのグループに入りました。
この大集団には総合6位のナイロ・キンタナ(COL/Movistar)や8位のウィルコ・ケルデルマン(NED/Team Sunweb)がいるため、AstanaやJumbo-Vismaら総合勢を擁するメイン集団も、前方集団とのペースを一定以上に離させないように維持します。
最初の2時間を平均47.6km/h、後半の2時間をさらに速い平均49.6km/hで牽引するDeceuninck-QuickStepら先頭グループによって、第17ステージは超高速レース化。
メイン集団からも逃げグループからも遅れる選手が続出し、両集団は20人ほどにまで削られました。
メイン集団より5分早くフィニッシュ地点に到達した逃げグループでは、残り2.3kmでゼネク・スティバル(CZE/Deceuninck-QuickStep)がアタック。
スティバルを吸収して今大会3勝目を狙うべくロングスプリントをしかけたサム・ベネット(IRL/BORA-hansgrohe)の背後からスプリントしたジルベールが、第12ステージに続いて今大会ステージ2勝目をあげました。
第18ステージ
- Comunidad de Madrid. Colmenar Viejo>Becerril de la Sierra
- 上級山岳
- 177.5km
- ステージ優勝:セルヒオ・イギータ(COL/EF Education First)
13名ほどの逃げ集団ができたステージ。
山岳賞ジャージのジョフレ・ブシャール(FRA/AG2R)が前半3カ所の1級山岳でポイントを着実に重ね、山岳賞争いでかなり有利な状況に持ち込みました。
そんななか、イギータがカテゴリー山岳のダウンヒルを利用して先頭グループの仲間に差をつけ、単独先頭に。
残り60kmでメイン集団からミゲルアンヘル・ロペス(COL/Astana)がアタックし、前にいたチームメイトと合流します。
しばらくしてから総合勢がロペスらに追いつき、独走を続けるイギータを追うも15秒及ばず。
自身18ステージ目のグランツールにして、イギータは初のステージ優勝を手にしました。
第19ステージ
- Ávila>Toledo
- 平坦
- 165.2km
- ステージ優勝:レミ・カヴァニャ(FRA/Deceuninck-QuickStep)
アビラの0km地点から始まる登坂距離13kmのステージ唯一の3級山岳ラ・パラメラ(la Paramera、残り152.2km)への上りで、11人の逃げグループが形成されました。
最大3分半ほどにタイム差が広がったメイン集団と11名は徐々に差を詰めていきますが、1分ほどに迫った残り70km地点で、メイン集団内で集団落車が発生。
総合上位勢が巻き込まれるものの、総合勢はレースを再開します。
その後集団落車に巻き込まれた選手たちが集団復帰し、逃げグループを追うなか、フィニッシュ地点のトレド(Toledo)まで25kmを残して逃げグループからカヴァニャがアタック。
追走する選手は現れず、独走態勢に入ります。
残り2kmでカヴァニャの後方の集団がメイン集団に吸収されますが、カヴァニャは25kmを逃げ切って独走ステージ優勝を達成しました。
第20ステージ
- Arenas de San Pedro>Plataforma de Gredos
- 上級山岳
- 190.4km
- ステージ優勝:タデイ・ポガチャル(SVN/UAE Team Emirates)
激しいアタック合戦の末、実質的に今大会最後の逃げ集団は11人になりました。
セルヒオ・サミティエル(ESP/Euskadi Murias)が最初の1級山岳ペドロ・ベルナルド(Pedro Bernardo、残り156.4km)を先頭通過したことで、完走すればブシャールの山岳賞は確定することに。
カテゴリー山岳が6カ所登場するこのステージでは、逃げ集団もメイン集団も徐々に縦長に、小さくなっていきます。
Astanaが牽くメイン集団は順番に逃げグループからこぼれる選手をキャッチし、前に選手2人を残した状態で登坂距離14.2kmの1級山岳ペーニャ・ネグラ(Peña Negra、残り34.2km)へ。
ペーニャ・ネグラの山頂4.5km手前でアタックしたポガチャルがそのまま前を行く2人を置き去りにし、フィニッシュ地点のプラタフォルマ・デ・グレドス(Plataforma de Gredos、3級)まで独走でステージ優勝。
ポガチャルの3勝(第9、13、20ステージ)はいずれも山頂フィニッシュのステージでした。
1分41秒後にフィニッシュ地点に到着した、ステージ5位のプリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)が総合優勝をほぼ確実に。
それより9秒前にフィニッシュラインを踏んだステージ2位のアレハンドロ・バルベルデ(ESP/Movistar)は、2014年(3位)以来7回目の母国開催のグランツールの表彰台を決めています。
第21ステージ
- Fuenlabrada>Madrid
- 平坦
- 106.6km
http://akaneikeno.com/2019/09/16/vuelta2019_etapa21/
- ステージ優勝:ファビオ・ヤコブセン(NED/Deceuninck-QuickStep)
4賞ジャージのログリッチとポガチャル、ブジャールに、総合2位のバルベルデ、ポイント賞ジャージを繰り下げ着用するキンタナの5人を先頭にスタートした第21ステージ。
和やかな雰囲気のなか、153名の選手がフエンラブラダ(Fuenlabrada)からスペインの首都・マドリード(Madrid)へ向かいます。
マドリードの周回コースに入って形成されたエスケープも7kmを残して吸収。
最大70km/h近いスピードで牽引したカヴァニャやゼネク・スティバル(CZE/Deceuninck-QuickStep)、マキシミリアーノ・リケーゼ(ARG/Deceuninck-QuickStep)から発射されたヤコブセンが、第4ステージ以来の2勝目、チームとしては今大会最多の5勝目、3年連続のマドリードでの勝利を飾りました。
第3週の総合順位と4賞+αまとめ
第16ステージから第21ステージの各賞の動きを見ていきましょう。
第3週の総合順位
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#LaVuelta19 – 📸 Sarah Meyssonnier pic.twitter.com/9Qs3Mt5L9t— La Vuelta (@lavuelta) September 15, 2019
- プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma):83h 07′ 31
- アレハンドロ・バルベルデ(ESP/Movistar):+ 02′ 16
- タデイ・ポガチャル(SVN/UAE Team Emirates):+ 02′ 38
- ナイロ・キンタナ(COL/Movistar):+ 03′ 29
- ミゲルアンヘル・ロペス(COL/Astana):+ 04′ 31
- ラファル・マイカ(POL/BORA-hansgrohe):+ 07′ 16
- ウィルコ・ケルデルマン(NED/Team Sunweb):+ 09′ 47
- カールフレドリック・ハーゲン(NOR/Lotto Soudal):+ 12′ 54
- マルク・ソレル(ESP/Movistar):+ 22′ 10
- ミケル・ニエベ(ESP/Mitchelton-SCOTT):+ 22′ 17
総合上位勢の顔ぶれはほぼ変わらず。
総合9~15位あたりは変動が激しく、総合11位のジェームス・ノックス(GBR/Deceuninck-QuickStep)と10位のニエベの差はわずか21秒でした。
第3週の4賞+チーム優勝
#LaVuelta19 The first podium for the team and the first for @TamauPogi – Bravo Tadej! #UAETeamEmirates #RideTogether #YearofTolerance pic.twitter.com/cwzQu7HTL3
— @UAE-TeamEmirates (@TeamUAEAbuDhabi) September 15, 2019
- マイヨ・ロホ(総合首位):プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)
- マイヨ・ベルデ(ポイント賞):プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)
- マイヨ・デ・ルナデス (山岳賞):ジョフレ・ブシャール(FRA/AG2R)
- マイヨ・ブランコ(新人賞):タデイ・ポガチャル(SVN/UAE Team Emirates)※総合3位
- チーム優勝:Movistar
第2週からマイヨ・ロホを守り通したログリッチ。
スプリントポイントの比重が低く、総合上位勢が獲得しやすいポイント賞もログリッチが獲得して2冠達成です。
ブジャールはネオプロで、グランツール初出場にして4賞ジャージを獲得しました。
ポガチャルもブジャールと同じグランツール初出場ながら、出場選手中最年少での4賞ジャージ獲得、個人最多のステージ3勝をあげるなど、怪物ぶりを世界中に知らしめました。
第3週の敢闘賞
- 第17ステージ:ナイロ・キンタナ(COL/Movistar)
- 第18ステージ:セルヒオ・イギータ(COL/EF Education First)
- 第19ステージ:レミ・カヴァニャ(FRA/Deceuninck-QuickStep)
- 第20ステージ:タオ・ゲオゲガンハート(GBR/Team INEOS)
- 第21ステージ:-
- 総合敢闘賞:ミゲルアンヘル・ロペス(COL/Astana)
第21ステージは敢闘賞を設置しない慣例なので、対象者がいません。
総合敢闘賞には、第1ステージでマイヨ・ロホを着用したロペスが選ばれました。
最後に
ブエルタブログは明日のまとめ記事で終了です。
それでは!