【Vuelta a España 2019】Descanso2
こんにちは、オーストラリア・ブリスベン在住のスポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
8/24~9/15までの間、グランツールのひとつブエルタ・ア・エスパーニャ(la Vuelta a España、以下:ブエルタ)についての記事を毎日更新しています。
今日は、第1週(第10ステージ~第16ステージ)を振り返りましょう。
第2週の記事まとめ
第1週のまとめ記事はこちらからご覧ください。
第10ステージ
- Jurançon>Pau
- 個人タイムトライアル
- 36.2km
- ステージ優勝:プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)
アンドラからフランスに移動して迎えた休息日明けの第10ステージ。
第1週を終えて総合最下位(166位)のレナード・ホフステッド(NED/Jumbo-Visma)からジュランソン(Jurançon)を出発します。
2カ所あるうち最初の中間計測地点の時点で先頭はホフステッドから1分後にスタートしたパウェル・ベルナス(POL/CCC Team)に代わり、50′ 55でフィニッシュ地点のポー(Pau)へ。
そのあと元タイムトライアル世界王者などが暫定首位のタイムを上書きますが、最も長時間ホットシートに座り続けたのは、現ニュージーランドタイムトライアル王者のパトリック・ベヴィン(NZL/CCC Team)です。
しかし、2016年のスロベニアTTチャンピオンのログリッチがフィニッシュ地点含む3カ所の計測地点をすべて暫定首位を20秒近く上回るタイムで通過し、全体トップの47′ 05をマーク。
唯一ログリッチの後にスタートしたナイロ・キンタナ(COL/Movistar)のフィニッシュを待たずにステージ優勝を決め、マイヨ・ロホとマイヨ・ベルデをキンタナから奪いました。
第11ステージ
- Saint Palais>Urdax-Dantxarinea
- 中級山岳
- 180km
- ステージ優勝:ミケル・イツリア(ESP/Euskadi Murias)
フランスとスペイン両国にまたがるバスク地方を走る第11ステージでは、山岳賞ジャージのアンヘル・マドラソ(ESP/Burgos BH)含む14名がエスケープ。
最も総合成績がいい選手で37分遅れのため、Jumbo-Vismaが牽くメイン集団は彼らの逃げ切りを容認しました。
西仏国境沿いの2級山岳でのバスク出身のゴルカ・イサギレ(ESP/Astana)によるアタックを期に14人は細分化と合体を幾度となく繰り返します。
14名のうち12名が残った逃げグループから残り20km以上を独走したイツリアがキャリア初優勝を達成。
メイン集団はホフステッドを先頭に、はイツリアから18分35秒遅れでフィニッシュしてステージを終えました
第12ステージ
- Circuito de Navarra>Bilbao
- 中級山岳
- 171.4km
- ステージ優勝:フィリップ・ジルベール(BEL/Deceuninck-QuickStep)
全長171.4kmのステージで19名の逃げ集団が形成されたのは、ビルバオ(Bilbao)まで残り60kmを切ってから。
ダウンヒルを利用したウィレム・スミット(RSA/KATUSHA ALPECIN)のアタックに追随する形で前に出た選手たちによる集団です。
その後も逃げグループ内でのアタックが起こりますが、残り10kmで13人の集団に。
4カ所登場する3級山岳のうち最後のアレイズ(Arraiz、残り7.6km)への上りでアタックしたジルベールが残り9kmで独走態勢に持ち込み、ちょうど6年前の2013年9月5日第12ステージ以来6年ぶりにブエルタでステージ優勝しました。
第13ステージ
- Bilbao>Los Machucos. Monumento Vaca Pasiega
- 上級山岳
- 166.4km
- ステージ優勝:タデイ・ポガチャル(SVN/UAE Team Emirates)
39.4km地点に登場する最初のカテゴリー山岳ラ・エスクリタ(la Escrita、3級)のダウンヒルで29名の大きな逃げ集団が形成されました。
7カ所あるカテゴリー山岳のうち、4つめに登場する2級山岳アリサス(Alisas、残り60.4km)の上りから少しずつ29人が細分化しはじめ、やがてエクトル・サエス(ESP/Euskadi Murias)が独走態勢に持ち込みます。
最大8分30秒ほどにまで広がったタイム差は、Jumbo-VismaからAstanaにメイン集団の牽引が代わってから急速に縮まり始めました。
サエスを追う追走グループからはブルーノ・アルミライル(FRA/Groupama-FDJ)がサエスを捉えることに成功しますが、その時点で登坂距離6.8kmの超級山岳ロス・マチュコス(los Machucos、平均勾配9.2%)の上り始まっています。
総合上位勢が犇めくメイン集団でもアタック合戦が繰り広げられますが、その前方では追走から抜け出したピエール・ラトゥール(FRA/AG2R)が単独先頭に。
しかし、ラトゥールと山頂1.5km手前で並んだポガチャルとログリッチはラトゥールを振り払い、勝負の行方は一騎打ちになります。
ポガチャルを前に最後のカーブを曲がるとそのままポガチャルがステージ優勝し、第9ステージに続いて今大会2勝目をあげました。
第14ステージ
- San Vicente de la Barquera>Oviedo
- 平坦
- 188km
- ステージ優勝:サム・ベネット(IRL/BORA-hansgrohe)
6人の逃げ集団が形成されますが、スプリンターを擁するチームがここぞとばかりにタイム差をコントロール。
フィニッシュ地点4.5km手前でこのグループを吸収するまで、2分22秒以上にタイム差を広げさせませんでした。
第2週唯一の平坦ステージでの勝利に向けて、このステージを虎視眈々と狙うチームがトレインを形成していくなかで大規模な集団落車が発生。
フラム・ルージュを通過してすぐの落車だったため、落車発生場所より前にいた選手にステージ優勝は絞られます。
トッシュ・ヴァンデルサンド(BEL/Lotto Soudal)がアタックしたところにサム・ベネットとマキシミリアーノ・リケーゼ(ARG/Deceuninck-QuickStep)が反応。
ヴァンデルサンドをあっという間に捉えますが、リケーゼに影を踏ませる隙を与えずベネットが第3ステージに次ぐステージ2勝目をあげました。
第15ステージ
- Tineo>Santuario del Acebo
- 上級山岳
- 154.4km
- ステージ優勝:セップ・クース(USA/Jumbo-Visma)
1級山岳4カ所が、全長154.4kmのコースで40kmおきにまんべんなく登場する第15ステージ。
最初の1級山岳アセボ(Acebo)の上りでメイン集団に1分30秒近いタイム差をつけて逃げていたのは6人ですが、アセボを下り始めるとタイム差は10秒ほどに。
このときにメイン集団から飛び出した選手が6人に合流し、17名の逃げグループが形成されました。
残り7.9kmで山頂フィニッシュのアセボ(Acebo)への登坂が始まるころには17人は分裂し、メイン集団は5分ほど後方に。
しかし、アセボの上りでみるみる差が詰まり、逃げ集団で逃げ切ったクースがステージ優勝。
ログリッチとのタイム差を守れたのは総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(ESP/Movistar)だけで、他の総合勢は40秒以上の差をつけられました。
第16ステージ
- Pravia>Alto de La Cubilla. Lena
- 上級山岳
- 144.4km
- ステージ優勝:ヤコブ・フルサング(DEN/Astana)
アタック合戦が幾度となく繰り広げられ、スタートから38kmほど過ぎて25名ほどの大きなエスケープ集団が形成。
2カ所に登場する1級山岳はいずれも山岳賞2位のジョフリー・ブシャール(FRA/AG2R)が先頭で通過し、ついにマドラソから山岳賞ジャージを奪います。
チーマ・アルベルト・フェルナンデスに指定されているラ・クビーリャ(La Cubilla)に逃げグループが入るとき、メイン集団とのタイム差は9分。
逃げグループも細分化されていくなか、残り7kmを手前にフルサングがアタックし、ジャンルーカ・ブランビッラ(ITA/Trek-Segafredo)だけが反応。
途中でブランビッラはペースを落としますが、そのまま最後まで後続に影を踏ませなかったフルサングが意外にもグランツール初のステージ優勝を達成しました。
メイン集団では、ログリッチと同タイムでフィニッシュしたポガチャルとミゲルアンヘル・ロペス(COL/Astana)以外はログリッチからタイムを失っています。
第2週の総合順位と4賞+αまとめ
第16ステージから第21ステージの各賞の動きを見ていきましょう。
第2週の総合順位
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- プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma):62h 17′ 52
- アレハンドロ・バルベルデ(ESP/Movistar):+ 02′ 48
- タデイ・ポガチャル(SVN/UAE Team Emirates):+ 03′ 42
- ミゲルアンヘル・ロペス(COL/Astana):+ 03′ 59
- ラファル・マイカ(POL/BORA-hansgrohe):+ 07′ 40
- ナイロ・キンタナ(COL/Movistar):+ 07′ 43
- ニコラ・エデ(FRA/COFIDIS):+ 10′ 27
- ウィルコ・ケルデルマン(NED/Team Sunweb):+ 10′ 34
- カールフレドリック・ハーゲン(NOR/Lotto Soudal):+ 10’40
- ヘルマン・ペルンシュタイナー(AUT/Bahrain Merida):+ 12′ 05
第1週を完走した166人中、第2週も完走したのは159人。
7人は第2週のうちにリタイアしています。
第2週の4賞+チーム優勝
🏆 Líderes tras la etapa 16 | Leaders after stage 16
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💚 @rogla
🔵 @GeoffBouche
⚪ @TamauPogi#LaVuelta19📸: @PhotoGomezSport pic.twitter.com/yujS9ugrws
— La Vuelta (@lavuelta) September 9, 2019
- マイヨ・ロホ(総合首位):プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)
- マイヨ・ベルデ(ポイント賞):プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)
- マイヨ・デ・ルナデス (山岳賞):ジョフリー・ブシャール(FRA/AG2R)
- マイヨ・ブランコ(新人賞):タデイ・ポガチャル(SVN/UAE Team Emirates)※総合3位
- チーム優勝:Movistar
4賞ジャージは第1週終了時点と総入れ替え。
特に山岳賞は第3週も入れ替えが発生する可能性が高いので要チェックです。
第2週の敢闘賞
- 第10ステージ:プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)
- 第11ステージ:アレックス・アランブル(ESP/Caja Rural-RGA)
- 第12ステージ:フィリップ・ジルベール(BEL/Deceuninck-QuickStep)
- 第13ステージ:エクトル・サエス(ESP/Euskadi Murias)
- 第14ステージ:ディエゴ・ルビオ(ESP/Burgos BH)
- 第15ステージ:セルヒオ・サミティエル(ESP/Euskadi Murias)
- 第16ステージ:アンヘル・マドラソ(ESP/Burgos BH)
第10ステージは個人タイムトライアルだったので投票は行われず、ステージ優勝のログリッチが敢闘賞。
第16ステージで敢闘賞に選ばれたマドラソは、今大会だけで3回敢闘賞に選ばれています。
最後に
最終週も18:00にブログを更新予定です。
それでは!