【Vuelta a España 2019】ETAPA15
こんにちは、オーストラリア・ブリスベン在住のスポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
8/24~9/15までの間、グランツールのひとつブエルタ・ア・エスパーニャ(la Vuelta a España、以下:ブエルタ)についての記事を毎日更新中。
今日は、第14ステージのレース概要と第15ステージのコースをご紹介します。
第14ステージのレース概要
第14ステージのコースなどの情報は、こちらの記事でご確認いただけます。
ブエルタの舞台は、バスクを抜けてカンタブリア州にある海沿いの街サンビセンテ・デラ・バルケラ(San Vicente de la Barquera)へ。
このステージの逃げはシルヴァン・ディリエ(SUI/AG2R)、ルカ・ピベルニク(SVN/Bahrain Merida)、ハーム・ファンフッケ(BEL/Lotto Soudal)、サルヴァトーレ・プッチョ(ITA/Team INEOS)、ディエゴ・ルビオ(ESP/Burgos BH)、ステファヌ・ロセット(FRA/COFIDIS)の6人です。
第3、第4ステージでそれぞれのスプリンターがステージ勝利しているBORA-hansgroheとDeceuninck-QuickStepがここぞとばかりにタイム差をコントロールし、2分22秒以上のタイム差はつけさせません。
最初の1時間を平均42.1km/hで駆けた6人とメイン集団の差は55kmの時点で2分を切るようになり、1分半から2分差を行き来します。
しばらく1分半前後をキープし続けたタイム差は、ロセットが脱落したあと残り62kmで一時的に1分まで縮まりますが、5kmほどで再び2分台に。
🏁 – 68 Km | Etapa 14 – Stage 14 | #LaVuelta19
🚴♂️🚴♂️ La fuga colabora, pero el pelotón se mantiene al acecho / The break feels the peloton is near!
🖥️ https://t.co/izln1uYnJq pic.twitter.com/IeBOE3BR2W
— La Vuelta (@lavuelta) September 7, 2019
残り36.4kmの中間スプリント地点ヒホン(Gijón)はルビオが先頭で通過し、ディリエとプッチョもボーナスタイムを獲得しました。
二度2分まで広がったタイム差ですが、残り25kmを切るとついに1分以下までメイン集団が迫ります。
残り23kmでメイン集団の先頭にいたヤコブ・フルサング(DEN/Astana)とジャンピエール・ドリュケール(LUX/BORA-hansgrohe)が集団のから飛び出しますが、間もなくしてトニー・マルティン(GER/Jumbo-Visma)が牽くメイン集団が間もなく吸収。
この日唯一登場する3級山岳のラ・マデラ(La Madera、残り22.6km)はヴァンフッケが先頭で登頂しています。
Grosse chute dans le final 😵#CofidisMyTeam #LaVuelta19 pic.twitter.com/aWfmqPO4zz
— Team Cofidis (@TeamCOFIDIS) September 7, 2019
メイン集団とのタイム差が30秒に迫った残り13kmで、5人の先頭グループからルビオが脱落しました。
Deceuninck-QuickStepが牽く集団に吸収されたのは、フィニッシュ地点のオヴィエド(Oviedo)までわずか4.5kmでのこと。
フラム・ルージュを通過し、このまま集団スプリントに…と思ったところで集団落車が発生。
後続は切り離され、小集団での勝負に。
トッシュ・ヴァンデルサンド(BEL/Lotto Soudal)がアタックしたところにサム・ベネット(IRL/BORA-hansgrohe)とマキシミリアーノ・リケーゼ(ARG/Deceuninck-QuickStep)が反応。
ヴァンデルサンドをあっという間に捉えますが、リケーゼに影を踏ませる隙を与えずベネットが第3ステージに次ぐステージ2勝目をあげました。
第14ステージ:ステージ順位
🏆 El ganador de la etapa | Stage winner
☝️ @Sammmy_Be #LaVuelta19 pic.twitter.com/xd8bII1kod
— La Vuelta (@lavuelta) September 7, 2019
- サム・ベネット(IRL/BORA-hansgrohe):4h 28′ 46
- マキシミリアーノ・リケーゼ(ARG/Deceuninck-QuickStep):+ 00′ 00
- トッシュ・ヴァンデルサンド(BEL/Lotto Soudal):+ 00′ 02
- マルク・サロー(FRA/Groupama-FDJ):+ 00′ 05
- クレメン・ヴァントゥリーニ(FRA/AG2R):+ 00′ 05
- マルク・ソレル(ESP/Movistar):+ 00′ 05
- ヨナス・コッホ(GER/CCC Team):+ 00′ 05
- ジョン・デゲンコルブ(GER/Trek-Segafredo):+ 00′ 05
- マキシミリアン・ヴァルシャイド(GER/Team Sunweb):+ 00′ 05
- シモン・サイノック(POL/CCC Team):+ 00′ 05
ステージ4位のサローと同じ5秒差でフィニッシュしたのは、74名。
残り3kmの救済ルールが適用されたので数字上では同タイムでも実際はかなり遅れてフィニッシュした選手もいるので、第15ステージの出走サインが終わるまで落車の影響は計り知れません。。
ドミンゴス・ゴンサルヴェス(PRT/Caja Rural-RGA)が第14ステージ未出走で、フラム・ルージュの集団落車で起き上がれなくなったルカ・メズゲッツ(SVN/Mitchelton-SCOTT)はその場で棄権し、病院に運ばれています。
第14ステージ:総合順位
#LaVuelta19
Another day in red for @rogla ..Stay tuned for our report & photos pic.twitter.com/g1sN5hX3j0
— Team Jumbo-Visma cycling (@JumboVismaRoad) September 7, 2019
- プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma):53h 49′ 19
- アレハンドロ・バルベルデ(ESP/Movistar):+ 02′ 25
- タデイ・ポガチャル(SVN/UAE Team Emirates):+ 03′ 01
- ミゲルアンヘル・ロペス(COL/Astana):+ 03′ 18
- ナイロ・キンタナ(COL/Movistar):+ 03′ 33
- ラファル・マイカ(POL/BORA-hansgrohe):+ 06′ 15
- ニコラ・エデ(FRA/COFIDIS):+ 07′ 18
- カールフレドリック・ハーゲン(NOR/Lotto Soudal):+ 07′ 33
- ウィルコ・ケルデルマン(NED/Team Sunweb):+ 07′ 39
- ディラン・トゥーンス(BEL/Bahrain Merida):+ 09′ 58
総合トップ10の顔ぶれおよびタイム差に変化はありません。
第14ステージ:4賞ジャージ+3
🏆 Líderes tras la etapa 14 | Leaders after stage 14
❤️ @rogla
💚 @rogla
🔵 @AngelMadrazo
⚪ @TamauPogi
#LaVuelta19📸: @PhotoGomezSport pic.twitter.com/5PkjPJTFnd
— La Vuelta (@lavuelta) September 7, 2019
- マイヨ・ロホ(総合首位):プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)
- マイヨ・ベルデ(ポイント賞):プリモシュ・ログリッチ(SVN/Jumbo-Visma)
- マイヨ・デ・ルナデス (山岳賞):アンヘル・マドラソ(ESP/Burgos BH)
- マイヨ・ブランコ(新人賞):タデイ・ポガチャル(SVN/UAE Team Emirates)※総合3位
- チーム優勝:Movistar
- ステージ優勝:サム・ベネット(IRL/BORA-hansgrohe)
- 敢闘賞:ディエゴ・ルビオ(ESP/Burgos BH)
4賞ジャージは変わらず。
敢闘賞には逃げグループに入ったルビオが選ばれました。
第15ステージの概要
第15ステージは、1級山岳4カ所を上るステージ。
40kmおきにまんべんなく山岳が登場します。
- スタート:Tineo
- フィニッシュ:Santuario del Acebo
- 総距離:154.4km
- 中間スプリント地点:El Llano(残り14.4km)
- 山岳:Acebo(1級、残り125.2km)、Connio(1級、残り81.2km)、Pozo de las Mujeres Muertas(1級、残り40.1km)、Acebo(1級、フィニッシュ)
- ステージ:上級山岳
- 開始時刻:13:18(日本時間20:18)
- 引用元:大会公式サイト内第15ステージコース紹介ページ

1級山岳のアセボ(Acebo)は残り125.2km地点と山頂フィニッシュで2回登場しますが、登坂ルートも山頂も別。
中間スプリント地点のエル・リャノ(El Llano、残り14.4km)は2回通過しますが、スプリントポイントの対象になるのは2回目の通過時です。

スタート地点のティネオ(Tineo)はブエルタ初登場。
緩やかに上りながら21km地点のアセボの麓まで行き、8.2kmで590mを上ります。
平均勾配は7.1%ですが、最初の1kmと最後の200mは勾配がぐっと緩くなるので、実質的な平均勾配は8%ほどでしょう。

600mのダウンヒルを終えると、200m近く緩やかに上りながら、次の1級山岳コニオ(Connio、残り81.2km)の麓へ。
平均勾配は6.2%でアセボより緩くなりますが、登坂距離は11kmです。

20km以上をかけたダウンヒルで1,000m近く下ると、補給地点を経てポゾ・デ・ラス・ムヘレス・ムエルタス(Pozo de las Mujeres Muertas、残り40.1km)の登坂が開始。
平均勾配は6.8%で6.2%のコニオと大差がありませんが、勾配9%台または二桁になる区間があるので、実質的な勾配はコニオ以上になります。

ポゾ・デ・ラス・ムヘレス・ムエルタスを下りきっても緩やかに下り続け、中間スプリント地点のエル・リャノへ。
エル・リャノはほぼフラットですが、下りながら通過します。

エル・リャノを過ぎてから6.5km走り続けると、いよいよフィニッシュ地点のサントゥアリオ・デル・アセボ(Santuario del Acebo)への上りが始まります。
平均勾配は9.7%ですが、下り坂区間も見受けられるので、上り区間の平均勾配は二桁とみていいでしょう。

一回目に通過するアセボより220m高いところまで到達する上りの登坂距離は、7.9km。
残り3.5km地点あたりで一度下り坂になりますが、その後は勾配が緩くなることはなく、また厳しい上りがフィニッシュラインまで続きます。

アセボがフィニッシュ地点に登場したのは、ヨーロッパツアーの2018年ブエルタ・ア・アストゥリアス第2ステージ以来。
このときのアセボは、今回最初に通過する方のアセボです。
今年のジロ・デ・イタリアを制したリチャル・カラパス(ECU/Movistar)がステージ優勝しています。
J SPORTSの中継は19:45から!
きょうの第15ステージは、19:45からJSPORTSで中継!
久々にスタート前からの中継なので、山岳賞争いはもちろん、逃げ集団形成までの集団の動きも必見です。
お見逃しなく!