【Tour de France 2019】REPOS1
こんにちは、オーストラリア・ブリスベン在住のスポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
7/6~7/28までの間、グランツールのひとつツール・ド・フランス(le Tour de France、以下:ツール)についての記事を毎日更新中。
今日は、第1週(第1ステージ~第10ステージ)を振り返りましょう。
第1週の記事まとめ
第1ステージ:Bruxelles>Brussel / 平坦 / 194.5 km
- ステージ優勝:マイク・テウニッセン(NED/Jumbo-Visma)
第1ステージでは、ラスト1.6kmの集団落車でステージ優勝候補のひとりディラン・フルーネウェーヘン(NED/Jumbo-Visma)が巻き込まれました。
急遽代理でスプリントに参加したテウニッセンがグランツール初勝利。
マイヨ・ジョーヌとマイヨ・ヴェールを獲得しました。
山岳賞は3級山岳ムイ・デュ・グラモント(Mur de Grammont、43.5km地点)を先頭で通過した グレッグ・ファンアーヴェルマート(BEL/CCC Team)が、新人賞はステージ3位のカレブ・ユアン(AUS/Lotto Soudal)が獲得しています。
第2ステージ:Bruxelles Palais Royal>Brussel Atomium / TTT / 27.6 km
- ステージ優勝:Jumbo-Visma
今大会唯一のチーム・タイムトライアルとなった第2ステージ。
第1走のTeam Ineosが29分18秒の好タイムで走り終えました。
KATUSHA ALPECINら中間計測地点でTeam Ineosを上回るチームは現れるものの、Team Ineosがホットシートから動くことはありません。
最終第22走のマイヨ・ジョーヌ率いるJumbo-Vismaは、過去4回タイムトライアル世界チャンピオンに輝いているトニー・マルティン(GER/Jumbo-Visma)と、約10日前の国内選手権でタイムトライアルチャンピオンになったばかりのワウト・ファンアールト(BEL/Jumbo-Visma)らの活躍もあってTeam Ineosに20秒の大差をつけてステージ優勝。
4賞ジャージは、マイヨ・ブランがファンアールトへ移りました。
第3ステージ:Binche>Épernay / 中級山岳 / 215 km
- ステージ優勝:ジュリアン・アラフィリップ(FRA/Deceuninck-QuickStep)
ベルギーからフランスへ戦いの舞台を移した第3ステージ。
ワイルドカードで出場している各プロコンチネンタルチームのフランス人選手4名と、ベルギー籍のワールドチームのティム・ウェレンス(BEL/Lotto Soudal)が逃げ集団を形成しました。
プロコンチームの選手を置き去りにし、ウェレンスが単独先頭に。
この日最後の山岳をウェレンスが先頭通過して山岳賞を確定させると同時に、メカトラブルでウェレンスは足を止めました。
その山岳を2位で通過したアラフィリップが単独先頭に立ち、エペルネ(Épernay)までの16kmを独走。
そのままステージ2位に26秒差をつけてアラフィリップが独走ステージ勝利を飾り、フランス人選手にとって5年ぶりのマイヨ・ジョーヌも獲得しています。
第4ステージ:Reims>Nancy / 平坦 / 213.5 km
- ステージ優勝:エリア・ヴィヴィアーニ(ITA/Deceuninck-QuickStep)
ランス(Reims)からナンシー(Nancy)へ向かう213.5kmは、山岳も中間スプリントもステージ後半に集中。
逃げ集団はフレデリック・バカールト(BEL)とヨアン・オフレド(FRA)のWanty-Gobert所属の2名と、ミヒャエル・シェアー(SUI/CCC Team)の3名で、約200kmを逃げました。
ラストは集団スプリント。
ミケル・モルコフ(DEN/Deceuninck-QuickStep)とマキシミリアーノ・リケーゼ(ARG/Deceuninck-QuickStep)の各国ナショナルチャンピオン、マイヨ・ジョーヌのアラフィリップによる豪華なトレインから発射したヴィヴィアーニが、ツール初優勝にして全グランツールでのステージ優勝を達成しました。
第5ステージ:Saint-Dié-des-Vosges>Colmar / 中級山岳 / 175.5 km
- ステージ優勝:ペテル・サガン(SVK/BORA-hansgrohe)
いままでのステージとは打って変わって逃げ集団形成までに時間がかかったステージです。
さらに、4名すべての選手がワールドチームに所属する逃げ集団となりました。
ドイツとの国境付近を進むステージで、通過する街の名前にもドイツ語の影響が見られます。
フィニッシュのスプリントでは、ドイツ籍チームに所属するサガンが、2位のファンアールトに自転車一台分以上の差をつけて勝利しました。
第6ステージ:Mulhouse>La Planche des Belles Filles / 上級山岳 / 160.5 km
- ステージ優勝:ディラン・トゥーンス(BEL/Bahrain Merida)
今大会最初の上級山岳ステージ。
14名の逃げ集団がスタート直後に誕生し、タイム差は最大8分以上に。
最大勾配24%の未舗装区間が手前にあるフィニッシュ地点ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユ(La Planche des Belles Filles、1級)までに、ほとんどの逃げ集団の選手は吸収されました。
最後まで先頭を譲らなかったのは、トゥーンスとジュリオ・チッコーネ(ITA/Trek-Segafredo)。
最後はチッコーネを突き放したトゥーンスがグランツール初勝利を達成しました。
マイヨ・ジョーヌは6秒差でアラフィリップからチッコーネへ移動。
チッコーネはワールドツアー1年目ながら、ジロ・デ・イタリアの山岳賞とツールのマイヨ・ジョーヌを獲得しています。
第7ステージ:Belfort>Chalon-sur-Saône / 平坦 / 230 km
- ステージ優勝:ディラン・フルーネウェーヘン(NED/Jumbo-Visma)
今大会最長の230kmを走ったステージ。
スタート直後から逃げたオフレドとステファヌ・ロセット(FRA/COFIDIS)は、残り12kmまで逃げ続けました。
ほぼ直線の残り2kmは、集団スプリントに。
最高速度74.1km/hで左後方から大きく加速したフルーネウェーヘンが、わずかながらユアンに先着。
フルーネウェーヘンは2017年のシャンゼリゼ、2018年の第7、8ステージに続いて、ツールで3年連続4回目のステージ勝利です。
第8ステージ:Mâcon>Saint-Étienne / 中級山岳 / 200 km
- ステージ優勝:トーマス・デヘント(BEL/Lotto Soudal)
逃げに乗った4選手のうち、デヘントがこの日登場したすべてのカテゴリー山岳を先頭で通過。
その後デヘント以外の逃げの選手はメイン集団に吸収され、アラフィリップとティボー・ピノ(FRA/Groupama-FDJ)がアタックしてデヘントを追走します。
最後は6秒差まで迫ったものの、フィニッシュラインを最初に通過したのはデヘントでした。
「逃げ職人」にふさわしい逃げ切りで、ツールでは2016年第12ステージ以来2回目のステージ優勝です。
第9ステージ:Saint-Étienne>Brioude / 中級山岳 / 170.5 km
- ステージ優勝:ダリル・インピー(RSA/Mitchelton-SCOTT)
第9ステージは、15人の逃げ集団が最大14分以上のタイム差をつける展開に。
この15人がフィニッシュ地点のブリウド(Brioude)まで逃げたので、メイン集団でのスプリントポイント争いは起きませんでした。
残り50kmを切ると徐々に逃げ集団内に変化が起き、15人の大集団は分裂していきます。
最後はティシュ・ベノート(BEL/Lotto Soudal)とインピーの2人が先頭になり、インピーがステージ優勝。
メイン集団はインピーから9分以上遅れてフィニッシュしました。
第10ステージ:Saint-Flour>Albi / 平坦 / 217.5 km
- ステージ優勝:ワウト・ファンアールト(BEL/Jumbo-Visma)
5名の逃げ集団とメイン集団のタイム差が2~3分で推移した第10ステージ。
残り25kmで集団がひとつになったのも束の間、エシュロンで集団はむしろ細分化されました。
ピノやチッコーネはメイン集団から1分、総合4位のジョージ・ベネット(NZL/Jumbo-Visma)は4分以上離されます。
最後は集団スプリントとなったもの、スプリンターをエシュロンで後方集団に取り残してしまったチームも。
フルーネウェーヘンも後方に残されたスプリンターのひとりで、第1ステージの落車時と同じでスプリント勝負に参加することすらできませんでした。
しかし、ユアンやヴィヴィアーニら先頭集団に残ったスプリンターたちを押しのけてステージ優勝したのは、これまたフルーネウェーヘンのチームメイト・ファンアールト。
初めてのグランツールで、チームタイムトライアルだった第2ステージを除き、個人で初のステージ優勝を飾りました。
第1週の総合順位と4賞+αまとめ
第1ステージから第10ステージの各賞の動きを見ていきましょう。
第1週の総合順位
Podiums Stage 10 ⭐️
Podiums Étape 10 ⭐️💛 🇫🇷 @alafpolak1
💚 🇸🇰 @petosagan
🔴 🇧🇪 @Tim_Wellens
⚪️ 🇨🇴 @Eganbernal #TDF2019 pic.twitter.com/rwDDbo73Bu— Tour de France™ (@LeTour) 2019年7月15日
- ジュリアン・アラフィリップ(FRA/Deceuninck-QuickStep):43h 27′ 15
- ゲラント・トーマス(GBR/Team INEOS):+ 01′ 12
- エガン・ベルナル(COL/Team INEOS):+ 01′ 16
- ステフェン・クライスヴァイク(NED/Jumbo-Visma):+ 01′ 27
- エマヌエル・ブッフマン(GER/BORA-hansgrohe):+ 01′ 45
- エンリク・マス(ESP/Deceuninck-QuickStep):+ 01′ 46
- アダム・イェーツ(GBR/Mitchelton-SCOTT):+ 01′ 47
- ナイロ・キンタナ(COL/Movistar):+ 02′ 04
- ダニエル・マーティン(IRL/UAE Team Emirates):+ 02′ 09
- ジュリオ・チッコーネ(ITA/Trek-Segafredo):+ 02′ 32
第10ステージまで無事完走したのは、176選手中171選手。
5選手は第1週のうちにリタイアしています。
第1週のマイヨ・ジョーヌ

第1週終了時点での総合トップ5の比較です。
アラフィリップが総合21位スタートで、第1ステージから好位置をキープしています。
対するブッフマンは第1ステージが168位スタート。
第2ステージのチームタイムトライアルも22位中12位と決していい順位とはいえませんが、その後は着実に順位をのばしています。
大きく順位をのばしている第6ステージは8位でフィニッシュしました。
第2週は上級山岳ステージ3日と個人タイムトライアル。
総合トップ5はどのように変化するでしょうか?
第1週のマイヨ・ヴェール

第1週終了時点でのポイント賞トップ5の比較です。
サガンとマイケル・マシューズ(AUS/Team Sunweb)、ソニー・コルブレッリ(ITA/Bahrain Merida)がコンスタントに得点を伸ばしています。
ヴィヴィアーニは第3ステージで中間スプリントポイントの8ptしか獲得できなかったのが痛手といえるでしょう。
ジャスパー・ストゥイヴェン(BEL/Trek-Segafredo)は第9ステージの逃げに乗ったことで、ベスト10下位から順位をジャンプアップさせています。
第2週は第12、14、15ステージが上級山岳、第13ステージが個人タイムトライアルなので、第11ステージがポイント賞争いには重要です。
上級山岳ステージの中間スプリントポイントも狙えるのであれば獲得したいところ。
第1週のマイヨ・ア・ポワ

第1週終了時点での山岳賞トップ5の比較です。
山岳賞狙いの選手がすべてのステージでポイントを獲得しているわけではないので、積み上げ棒グラフにしました。
この5人の共通点は、第6ステージの逃げ集団に入ったこと。
チッコーネは第6ステージの30ptのみで3位にランクインしています。
逆に各ステージでコンスタントにポイントを獲得したのは、クサンドロ・ムーリッセ(BEL/Wanty-Gobert)。
第1ステージを含む4ステージでポイントを稼ぎました。
第2週は上級山岳が3日あるので、この5人とて第2週終了時点でトップ5に入っている保証はありません。
第1週のマイヨ・ブラン

第1週終了時点での新人賞トップ5の比較です。
総合3位のベルナルをトップに、6位のマス、10位のチッコーネまでが総合トップ10。
ダヴィ・ゴデュ(FRA/Groupama-FDJ)は23位、ローレンス・デプルス(BEL/Jumbo-Visma)は44位です。
総合勢はベルナルとマスですが、お互い上位にチームメイト(トーマスとアラフィリップ)がいることから、第2週の動きがやや見えにくいところ。
ゴデュとデプルスはエースのアシストに徹することが予想され、山岳賞3位のチッコーネはマイヨ・ア・ポワに照準を定める可能性も。
第1週のチーム順位

第1週終了時点でのチームトップ5の比較です。
タイム差は「その時点でのチームトップ」との比較なので、第2ステージから第5ステージまではJumbo-Vismaが比較対象。
こうして個人ではなく複数選手の集計データであるチーム順位で見ると、第6ステージと第10ステージの明暗がはっきり見てとれます。
第8ステージで9分以上を落としているAG2Rは、デヘント、ピノ、アラフィリップに次ぐ4位集団にロマン・バルデ(FRA/AG2R)しかおらず、チーム2位と3位でタイム差をつけられました。
グランツールのチーム優勝にはめっぽう強いMovistarがトップの座について終えた第1週。
第2週もMovistarがキープし続けるのでしょうか…?
第1週の敢闘賞
- 第1ステージ:ステファヌ・ロセット(FRA/COFIDIS)
- 第2ステージ:-
- 第3ステージ:ティム・ウェレンス(BEL/Lotto Soudal)
- 第4ステージ:ミヒャエル・シェアー(SUI/CCC Team)
- 第5ステージ:トムス・スクインシュ(LAT/Trek-Segafredo)
- 第6ステージ:ディラン・トゥーンス(BEL/Bahrain Merida)
- 第7ステージ:ヨアン・オフレド(FRA/Wanty-Gobert)
- 第8ステージ:トーマス・デヘント(BEL/Lotto Soudal)
- 第9ステージ:ティシュ・ベノート(BEL/Lotto Soudal)
- 第10ステージ:ナトナエル・ベルハネ(ERI/COFIDIS)
第2ステージはチームタイムトライアルなので、敢闘賞の対象がいませんでした。
第6ステージや第9ステージは、最終盤のステージ優勝争いが2人で、ステージ2位の選手が敢闘賞に選ばれています。
第2週の概要
第2週のブログ更新&J SPORTS放送時間まとめ
第2週のブログ更新&J SPORTSのツール放送時間をまとめました!
- 第11ステージ:ブログは20:25更新予定、J SPORTSの放送は20:55開始
- 第12ステージ:ブログは20:25更新予定、J SPORTSの放送は20:55開始
- 第13ステージ:ブログは20:05更新予定、J SPORTSの放送は20:35開始
- 第14ステージ:ブログは19:35更新予定、J SPORTSの放送は20:05開始
- 第15ステージ:ブログは20:25更新予定、J SPORTSの放送は20:55開始
お見逃しなく!