Akane Ikeno

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ツール・ド・フランス現地取材を終えて感じたこと

ツール・ド・フランス現地取材を終えて感じたこと

こんにちは、スポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。

以前のブログ記事にも書きましたが、7/3~7/20でツール・ド・フランス(以下:ツール)の取材に行ってきました。

ツール・ド・フランスの取材に行ってきます!

開幕前を含め約2週間のツール帯同で感じたこと、この経験を踏まえてやりたいことについて書きます。

得られたものも多かったけど、
足りないものだらけだと感じたツール取材

AG2Rの記者会見。英語の同時通訳がいたおかげで何とか内容がわかりました…。

結論から言うと、「ツールの経験」以外にも、たくさんのものを得ることができました。
でも、それ以上に今回のフランス滞在を通して感じたのは、あらゆるものが足りないということ。

具体的な内容は順を追って書きますが、得たものと足りないものを書き出します。

得たもの

  • ツール取材・海外取材の経験
  • 取材陣の人脈(国内外)
  • これからへの可能性へのヒント

 

足りないもの

  • 語学力
  • 文章力
  • 知識量 などなど

目的は、”将来の自分のための実験”

Twitterで地味に好評だった、ボンネットからのスマホ撮影。第5ステージ。

まず、今回のツール取材の自分なりの目的についてお話しします。

今回の目的を一言で表現すると、”将来の自分のための実験”です。

”仕事”でツールに行く以上、ツール取材を通じてお金をもらい、「出費<収入」の状態にする必要があります。

しかし、いまのわたしは収入を生むことができても、「出費<収入」にすることはできません。
仕事をもらえるクライアントの少なさだったり、実力不足による単価の低さだったり、そもそもの仕事量の少なさだったり、理由はさまざまです。

仕事をもらえるクライアントの少なさ」「実力不足による単価の低さ」「そもそもの仕事量の少なさ

これらはすべてフランスに行く前から、たとえ行かなかったとしてもわかっていたこと。
でも現地に行かないとわからないことはあるはずだし、それに対してお金を出す価値もあると思い、フランス行きを決めました。

「収入<出費」の現状を将来的に打破するために、いまの自分に足りないものを知り、「出費<収入」に転換するために何が必要かを考える。

これが、今回のツール取材最大の目的です。

もちろん、現地の情報を伝えることも目的。

『取材』と謳っている以上は、ツールや開催期間中のフランスについての現地ならではの情報を多くの人に伝えることは目的の一つです。

わたしがフランスにいた間のツイートを、ここでいくつか抜粋してご紹介します。


グランデパール(開幕地)のヴァンデ県が盛り上がっている様子のツイートや


一般客はリーチできないようなメディア限定のイベントやメディアスペースの様子、


レース中に撮影した選手やコースの写真、


ときにはツールとは一切関係ないフランスのツイートまで。
プレスパスを持って現地にいる自分だからこそ発信できるツイートをしました。


帰国後も写真整理の題目でちょこちょこツイートしています。

ツイート以外にも、cyclowired@cyclowired_jp)で記事を書いたり。

ツイートの引用が長くなったのでもう一度書きますが、『取材』と謳う以上はツイートでもメディア記事でも、現地ならではの情報を多くの人に伝えることは目的の一つでした。
ただ、現地の情報を伝えることについては今回の主題から外れるので、この記事では触れません。

自分で蒔いた種を収穫するときがきた

ジャーナリストバイクから撮影。第1ステージ。

ここからは、得たものについて手短に書いていきます。
「足りないものを見ること」が目的なので、あくまで手短に。

経験は言わずもがななので省略しますが、日本内外のツール取材陣と知り合えたのは大きな収穫のひとつです。
一方的に存じ上げていた方はもちろん、ライターやフォトグラファーと違って名前が表に出ないけどロードレース界のために働いている日本の方、海外の取材陣など、さまざまな人とお会いすることができました。

「知り合えた」と言いつつも、日本の方で初対面だったのは約半数で。
それ以外の方には、以前お会いしたことがありました。

会社員時代にその方が参加するイベントに行き、他の人がサインや写真をお願いする中で、ひとり「ロードレースの世界で働きたい」とガチ相談をしに行ったんです。
そのときのことを覚えてくださっていた方がいたのも嬉しかったし、なによりその方のおかげで、その場にいた初対面の方にも「去年の時点でこの業界に行きたいと言っていて、1年経たずにフランスにやってきたやつ」くらいのところまでは伝わったと思っています(※日本の取材陣で集まる機会があり、わたしもそこに参加しました)。

正直なところ覚えてもらえているとは思っていなかったので、種まきの重要性をひしひしと感じました。

いまこそ新しい種をまくとき

Quick Step-Floorsのバス。アラフィリップはヒゲがある方がいいと思います(個人的見解)

もうひとつ得たものとして、「これからの可能性へのヒント」と書きました。

「可能性」を具体的に言うと「平成生まれの中で頭一つ抜ける可能性」です。

わたしが今回直接お話しした取材陣は国内外問わず、全員わたしより年上でした。
お話しできなかった海外の取材陣には同世代(1990年代前半生まれ)もいたと思いますが、少なくとも日本人の同世代はゼロ。

それなら今後の努力次第では、日本の同世代の中で頭一つ抜けることができるのではないか?
そう感じました。

大事なので2回書きますが、あくまでも今後の努力の結果次第ですけどね。

いまはわたしの親世代の先輩方もバリバリ働いていますが、彼らが現役を退いたときに空きポジションを取れるようになっていたいです。

写真・映像に本格進出するかも…?

第10ステージのスタート前、古巣・ASTANAのスタッフに「ヴィンチェ!」と
声をかけられていたニバリ。第2週の活躍が楽しみだと思っていましたが…。

そのためには、今後ますます需要が高まるであろう動画や、文章以上に多くの人に伝わる写真にも力を入れていきたいと思います。

ツールのプレスルームに行くと一流のフォトグラファーばかりで、そうなると彼らが持っているカメラは当然フラッグシップ機(最上位モデル)ばかり。
ニコンだとD5、キヤノンだとEOS 1DX Mark IIが該当します(※現行モデル)。

フラッグシップ機じゃなくてもフルサイズ機ばかりで、ASP-C機なんて血眼で探してようやく見つけたくらい。

そんな環境にいるとD5が欲しくなるんですよね…。
もちろん「みんなが持ってるから欲しい」なんて浮足立った理由ではなく、ちゃんとした理由もあります。

諸事情で自分の一眼レフが使えなかったときにキヤノンのフラッグシップ・EOS 1DX Mark IIをお借りして撮影する機会があって、そのときにフラッグシップ機の連写速度に圧倒されたんです。

EOS 1DX Mark IIは約14コマ/秒(キヤノン公式サイト)で、わたしが今持っている機種の倍近く1秒あたりのコマ数が増えます。
D5は約12コマ/秒(ニコン公式サイト)なんですが、それでも今の機種に比べたらぐんとシャッターチャンスは多くなりますよね。

より優先すべき出費予定があるので当面の間は購入を見送りますが、2台目を購入するときはフラッグシップ機になると思います。
※ちなみにツール取材後、このブログのトップ画像を4枚追加しましたが、そのうち1枚がEOS 1DX Mark IIで撮影した写真です。

このあとのことは自分の努力次第

ジャーナリストバイクから撮影。第1ステージ。

ここからは、親世代の先輩方の引退後に空きポジションを確保するために、これからのわたしに必要なことについて書きます。

今後の努力次第では”の部分に対して、どういう努力をすべきか?という話です。

足りないものとして「語学力」「文章力」「知識量」を代表例として挙げました。
これ以外にもありますが、これ以上書くと長くなりすぎるので「などなど」としています。

【語学力】英語+いくつかの言語を取得したい

クリストファー・フルーム(奥)がメカトラブルで止まったところに居合わせました。
手前で待機しているのはミカル・クウィアトコウスキー(第5ステージ)

語学力については「フランスにいたけど全然フランス語がわからなかった」という単純な話ではなく、色々な言語を使えるようになる必要があると感じました。

いまのわたしは英語を最重要言語に設定して勉強していますが、ロードレース界に身を置くのであれば、やはりあと1つ、2つのヨーロッパ言語はほしいところ。
英語に加えて、三大ロードレース(グランツール)開催国のイタリア語、フランス語、スペイン語のどれかができればベストだと思います。
3つの大会が”グランツール”の一言で称されるものの、ツールの規模が段違いで大きく、一番需要があるのはフランス語。

でもオランダ語もできたほうがいいし(オランダ・ベルギーなど、自転車が盛んな国はオランダ語が公用語のところが多い印象)、ドイツ語はいま以上に極めたいし…。
語学に力を入れることは間違いありませんが、何語を学ぶか…ですね。
もちろん英語+1言語に限定する必要はありませんが、英語をやりつつ考えます。

ちなみにグランツール開催国の言語では、スペイン語が最有力です。
理由はあえて明文化しませんが、この記事に根拠となることは書かれているので、いつか別の機会にちゃんと書こうと思います。

【文章力】なぜだか筆が進まない状態を打破

一眼レフが使えないときにスマホで撮影。第2ステージ。

文章力というか、頭の回転の遅さというか。
自分の遅筆っぷりにとにかく驚きました。

夜な夜なパソコンに向かいつつ、「眠気覚ましにシャワーを浴びにいきたい自分」と「原稿を待ってる人がいるんだからシャワーは後回しな自分」が脳内で戦っていたり。
結局は後回しな自分が勝っていましたが、それでもなかなか筆が進まず迷惑かけまくったので猛反省です。

記事を書くとき、「この部分については書こう」「あれはカットしよう」とある程度のレイアウトは事前に決めますが、いざ記事にしようとするとキーボードが打てなくなります。
この記事もまさしくそれを証明するもので、タイトル決めてアイキャッチを作ったのはシャルル・ド・ゴール空港の搭乗ゲート前のロビーだったんですが、記事の内容や順番をどうしようと考えているうちに8月を迎えたわけで。

まだ自分の中で沸き上がったものを他の人から見てわかりやすくまとめる力がないと思うので、他の人の文章を研究する必要があります。

【知識量】突然「明日解説出てね」と言われてもできるように

第9ステージの”北の地獄”への入口。

選手やチームの情報はもちろん、機材にしろ大会にしろ、知らないことが多すぎると改めて痛感しました。

わかりやすい例では、今年の大会の行方を占ううえで注目の的になった”5勝クラブ”について。
105年のツールの歴史で5回総合優勝を達成した4人の選手を指す言葉ですが、彼らの現役時代について知らなすぎるんです。

4人の選手が活躍していた時期は基本的にわたしが生まれる前の話です。
「4人目になったミゲル・インドゥラインの5連覇達成時ですら2歳だったんだから、知らないのも無理はない」と思えなくもないのですが、それはファンだったらの話。

いま現地取材もこなすライターを仕事にしている以上、それは甘えでしかありません。
インドゥラインや最後のフランス人優勝者であるベルナール・イノーの現役時代からファンの方に比べたら、知識は皆無と言っていい状態だと思います。

仕事として人前で話しても恥をかかない程度の知識は、最低ラインとして身に着けたいです。

いまは仕事として人前で話す機会はないけど…

スタート地点に必ずいたおじさまと犬。
実は取材を試みてアポを取りに行ったものの、お互いのスケジュール的に合わずに断念。

じつは『レースを間近で観るジャーナリストモトを体験 ツールのプロトンと走った一日』の記事が公開されて数日後、はじめてエゴサーチをしました。笑

今回取材に帯同させていただいた綾野編集長(@makotoayano)にはダメ出しも含めてアドバイスをたくさんいただきましたが、一般読者の評価はどうなんだろう?と気になったからです。
褒めてもらえればラッキーだし、「読みにくい」「わかりにくい」といった意見や批判があればそれは真摯に受け止めるべきだし。

幸か不幸か、わたしがTwitterで追える限り追った内容では批判的な内容はありませんでした。
そもそも引用リツイートなどのコメント付きのツイートが少なかったんですけどね。

内容は要約すると「若い人が出てきたから頑張ってほしい」「JSPORTSの中継に登場してもらえないかな」といった内容でした。
(※JSPORTS…日本のツール放映権を持っているスポーツ専門衛星放送チャンネル)

JSPORTSの中継に登場してもらえないかな

初めて見たとき、ホテルでパソコン投げそうになりました。

そう言っていただけることに対する率直な嬉しさと、「えっ、わたしが?中継に?」という驚きから。
ツール取材に出向く自分は実現できても、まだ中継に登場する自分の姿がまったく思い描けないんです。

中継だと現地からSkypeを繋いでスタジオの実況・解説陣とやり取りすることになるのですが、これもなかなかハイレベル。
帰国後にツールをJSPORTSで見ていて、中継場面を見ていても「ここにわたしが?」と思わずにはいられませんでした。

いまの実力では無理ですが、いつか仕事の幅を広げたときに中継やら解説で出演するという選択肢は大いにあるんですよね。
(※他の競技だとなかなか見ませんが、ロードレースではフォトグラファーやメディアの編集長などがレースの実況・解説に登場することが多々あります)

来るかもしれない”いつか”が明日来ても対応できるように、知識を充実させようと思います。
”仕事として人前で話しても恥をかかない程度の知識”を最低ラインとしたのは、ここを意識しているからです…。

あと喋りもかなり苦手なので、直近のレース中継から色々盗めるものを盗みます!

まとめ

チームバスの前に等身大パネルがあるのは全選手の中でもサガンだけ。

長々と書いてきたし、ここには書かなかったこともありますが、とにかく足りないものをたくさん知ることができました。

それらが不足していること自体はフランスに行かなくてもわかっていましたが、行くことで最短ルートまたはそれに近い解決策を見出すことができたと思います。
来年もツールに行けるかどうかすらわかりませんが、少なくとも行けるときには今回気づいた課題をクリアできるように精進したいです。

ちなみにブエルタ・ア・エスパーニャは行きません
ジロ・デ・イタリアのときのようにブログを書く予定です。

それでは!

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