【Giro d’Italia 2018】TAPPA13
こんにちは、スポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
グランツールの一つジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia)のコース紹介記事を毎日更新しています!
前日のレースの簡単な振り返りも行うので、レースを見逃した人はもちろん、レースを見た人もおさらいとしてご覧ください。
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第12ステージをプレイバック
雨のイモラ・サーキットを走った昨日の第12ステージを振り返りましょう!
第12ステージ:レース展開
本日の逃げ集団は、マルコ・フラッポルティ(@MFrapporti/ITA/ANDRONI GIOCATTOLI – SIDERMEC)、ミルコ・マエストリ(@mircomaestri9/ITA/BARDIANI CSF)、マヌエル・センニ(@SenniManuel/ITA/BARDIANI CSF)、ヤコポ・モズカ(@SunJjak/ITA/WILIER TRIESTINA – SELLE ITALIA)、エウゲルト・ズパ(@eugertzhupa/ALB/WILIER TRIESTINA – SELLE ITALIA)の5選手。
全員がプロコンチネンタルチームの選手です。
メイン集団とのタイム差を3分30秒近くまで広げた逃げ集団は、中間スプリントポイント・ペーサロをフラッポルティ、ズパ、モズカの順に通過しました。
第11ステージ優勝大本命のエリア・ヴィヴィアーニ(@eliaviviani/ITA/QUICK-STEP FLOORS)がメイン集団ではトップの6位で通過。
このあとは次の中間スプリントポイント・フォルリまでの約86kmはイベントがなく、ひたすら進みます。
ところどころで降る雨
大勢に変化なくレース中盤まで進み、雨も降りだしたのでレインジャケットを羽織る選手も増えますが、10kmほどで雨は止みます。
残り75km地点で逃げ集団とメイン集団の差は約2分に縮まりました。
残り52km地点の中間スプリントポイント・フォルリはフラッポルティ、ズパ、マエストリの順で通過。
ペーサロ同様にヴィヴィアーニが6位で通過し、確実にポイントを重ねます。
残り43kmでは逃げ集団とメイン集団の差が再び2分30秒ほどにまで広がりました。
残り36kmになると再び雨脚が強まってきます。
再びメイン集団と逃げ集団の差は2分になりました。
メイン集団が2つに分断。ヴィヴィアーニは後方集団に
そこから6kmほどで集団同士の差は約1分にまで縮まりましたが、メイン集団が横からの追い風の影響でばらけます。
残り30km地点では局地的豪雨で強い雨風が選手に当たり、滑落などが心配です。
メイン集団の後方グループにはヴィヴィアーニやマリア・ビアンカのリチャル・カラパス(@RichardCarapazM/ECU/MOVISTAR TEAM)、総合4位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(@pozzovivod/ITA/BAHRAIN – MERIDA)がいます。
総合トップ3のサイモン・イェーツ(@SimonYatess/GBR/MITCHELTON – SCOTT)、トム・デュムラン(@tom_dumoulin/NED/Team Sunweb)ティボー・ピノ(@ThibautPinot/FRA/GROUPAMA FDJ)は前方集団で自分のポジションをキープ。
残り25kmで2人と3人に分かれた逃げグループのうち、後方の3人がデュムランらのグループに吸収されます。
モズカとマエストリの逃げ続けている2人とメイン集団の差も20秒を切りました。
ラスト21km地点でマエストリとモズカもメイン集団に吸収され、カラパスやヴィヴィアーニの集団も前方集団に合流します。
ウェレンスの単独逃げ
ティム・ウェレンス(@Tim_Wellens/BEL/LOTTO FIX ALL)が残り20km手前で飛び出し、単独逃げを図ります。
5kmほどで10秒の差がメイン集団と開きますが、ヴィヴィアーニを勝たせたいQUICK-STEP FLOORS(@quickstepteam)がズデニェック・スティバール(@zdenekstybar/CZE)を中心に追走。
フィニッシュゲートがあるイモラ・サーキットはウェレンスを先頭に通過し、サーキット内の周回に入ります。
ヴィヴィアーニが追走からちぎれ、QUICK-STEP FLOORSは集団を引くのをやめました。
残り10kmでウェレンスも集団に吸収され、そこでカウンターアタックで出てきたのはセルヒオ・ルイス・エナオ(@sergiohenaoofic/COL/Team Sky)とマウリツ・ラメルティンク(@lammertinkm/NED/ TEAM KATUSHA ALPECIN)の2人。
この2人にローハン・デニス(@RohanDennis/AUS/BMC Racing Team)やサイモンといった総合上位勢も追いつきます。
最後のスパートでサム・ベネットが今大会2勝目
残り8.2kmでディエゴ・ウリッシ(@DiegoUlissi/ITA/UAE TEAM EMIRATES)がアタック。
4級山岳・トレ・モンティはウリッシ、唯一追走したカルロス・ベタンクール(@cabg1989/OL/MOVISTAR TEAM)、メイン集団1位通過のパトリック・コンラート(@PatricKonrad/AUT/BORA – HANSGROHE)が山岳ポイントを獲得しました。
残り5kmを切って2人に追いついたマテイ・モホリッチ(@matmohoric/SLO/BAHRAIN – MERIDA)が引っ張る一方で、ウリッシは残り3km地点でメイン集団に吸収されます。
フィニッシュのストレートに入るまでモホリッチとベタンクールは先頭を走り続けましたが、ストレートに入った瞬間に後ろからものすごい勢いで仕掛けたサム・ベネット(@Sammmy_Be /IRL/BORA – HANSGROHE)がそのまま今大会ステージ2勝目を挙げました。
第12ステージ:ステージ順位
第12ステージのトップ10は以下の通りです。
- サム・ベネット(BORA – HANSGROHE):4:49:34
- ダニー・ファンポッペル(@Dannyvanpoppel/NED/TEAM LOTTO NL – JUMBO):+0:00
- ニッコロ・ボニファジオ(@Bonifazio_993/ITA/BAHRAIN – MERIDA):+0:00
- バティスト・プランカールト(BEL/TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:00
- ユルヘン・ルーランツ(@jurgenroelandts/BEL/BMC Racing Team):+0:00
- ミケル・モルコフ(@MichaelMorkov/DEN/QUICK-STEP FLOORS):+0:00
- マヌエル・ベッレッティ(@Manuelbelletti/ITA/ANDRONI GIOCATTOLI – SIDERMEC):+0:00
- クレモン・ヴァントゥリニ(@ClemVenturini/FRA/AG2R LA MONDIALE):+0:00
- フロリアン・セネシャル(@flosenech/FRA/QUICK-STEP FLOORS):+0:00
- エンリーコ・バッタリーン(@enricobattaglin/ITA/TEAM LOTTO NL – JUMBO):+0:00
ベネットがステージ優勝したことでスプリントポイントを162点まで伸ばし、ヴィヴィアーニに22点差まで迫ります。
第12ステージ終了時点の総合順位
総合トップ10のタイム差は変化なしです。
- サイモン・イェーツ(MITCHELTON – SCOTT):51:57:55
- トム・デュムラン(Team Sunweb):+0:47
- ティボー・ピノ(GROUPAMA FDJ):+1:04
- ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(BAHRAIN – MERIDA):+1:18
- リチャル・カラパス(MOVISTAR TEAM):+1:56
- ジョージ・ベネット(@georgenbennett/NZL/TEAM LOTTO NL – JUMBO):+2:09
- ローハン・デニス(BMC Racing Team):+2:36
- ペリョ・ビルバオ(@PelloBilbao1990/ESP/ASTANA PRO TEAM):+2:54
- パトリック・コンラート(BORA – HANSGROHE):+2:55
- ファビオ・アル(@FabioAru1/ITA/UAE TEAM EMIRATES):+3:10
- 出走176選手/完走169選手/リタイア7選手(棄権2選手、途中棄権5選手)
- Maglia Rosa(総合首位)…サイモン・イェーツ(MITCHELTON – SCOTT):51:57:55
- Maglia Ciclamino(ポイント賞)… エリア・ヴィヴィアーニ(QUICK-STEP FLOORS):184ポイント
- Maglia Azzurra(山岳賞)…サイモン・イェーツ(MITCHELTON – SCOTT):58ポイント
- Maglia Bianca(新人賞)… リチャル・カラパス(MOVISTAR TEAM):+1:56
4賞ジャージも変化ありませんが、2つの中間スプリントポイントをトップ通過したフラッポルティがポイント賞争いで3位までジャンプアップ。
第13ステージ概要
第13ステージも昨日に引き続きスプリンター向けのステージです。
- スタート:フェラーラ
- フィニッシュ:ネルヴェーザ・デッラ・バッターリア
- 総距離:180.0km
- 中間スプリントポイント:Piove di Sacco、Villorba
- 補給地点:107km~110km地点
- 山岳:Montello(4級)
- ステージ:平坦
- 開始時刻:12:55(日本時間19:55)
- ステージ難度:★★☆☆☆
- 引用元:大会公式サイト内ステージ13コース紹介ページ
第12ステージと同じくほぼ平坦で、ステージ終盤に4級山岳・モンテッロがあります。
アクチュアル・スタートからしばらくは国道16号線を走り、道路が変わっても起伏のない平坦なコースが続きます。
残り110km地点の最初の中間スプリントポイント・ピオデ・ディ・サッコの前後もフラットそのもの。
途中で通過する街中のラウンドアバウトや交通島などが登場しますが、モンテッロ以外の主な障害と言ってもこの程度。
補給地点の辺りから、自転車に乗っていて気付くかどうかわからないくらい緩やかな上りが始まります。
2つ目の中間スプリントポイント・ヴィッロルバを越えて、ラスト30.8km地点でフィニッシュ地点・ネルヴェーザ・デッラ・バッターリアを一度通過するまでの50kmで70m上る、本当に緩やかな上りです。
モンテッロの上りも最大勾配9%を記録してはいるものの、10kmで160m上る程度なのでスプリンターの篩分けにもならないでしょう。
ラスト15kmを過ぎてからネルヴェーザ・デッラ・バッターリアの街に再び戻ります。
街を反時計回りに大きく周るコースで、残り5kmを切って教会を左に曲がるとあとは長い一本道です。
第13ステージレース展望
見どころは間違いなくマリア・チクラミーノ争いです。
昨日の第12ステージで現マリア・チクラミーノのヴィヴィアーニとステージ優勝のベネットのポイント差は22点にまで縮まりました。
残る平坦ステージは第13ステージ含めてあと3つ。
第12ステージ終了現在でポイント賞2位のベネットと3位のフラッポルティの獲得ポイントがほぼダブルスコアになっているので、フラッポルティ以下は平坦ステージ優勝と中間スプリントポイントでコツコツポイントを積み重ねることが必須条件になります。
平坦ステージ優勝はまだしも、毎日逃げ集団でコツコツポイントを積み重ねるのは決して容易ではありません。
もちろん、残り3ステージ中2ステージ以上優勝すればフラッポルティ以下にもマリア・チクラミーノの可能性はあるものの、ヴィヴィアーニやベネットも上位フィニッシュで得点を積み重ねることを考えれば、やや現実味に欠けます。
ヴィヴィアーニ1強から”vsベネット”の2強対決になりつつあるポイント賞争い。
第13ステージの結果次第で休息日明けの動き方も決まるため、ポイント賞を占ううえでは必見のステージになりそうです。
ジロ・デ・イタリア第13ステージは本日20:05からDAZNで生中継!
お見逃しなく!