【Giro d’Italia 2018】TAPPA08
こんにちは、スポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
グランツールの一つジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia)のコース紹介記事を毎日更新しています!
前日のレースの簡単な振り返りも行うので、レースを見逃した人はもちろん、レースを見た人もおさらいとしてご覧ください。
大会公式Twitterアカウント(@giroditalia)や公式アプリも要チェックです!
第7ステージプレイバック
昨日の第7ステージ、イタリア本土初戦のスプリントステージを振り返りましょう!
第7ステージ:レース展開
アクチュアル・スタート直後にマルケル・イリサル(@Mads__Pedersen/ESP/TREK – SEGAFREDO)、ダヴィデ・バッレリーニ(@ballero_94/ITA/ANDRONI GIOCATTOLI – SIDERMEC)、ファウスト・マスナーダ(@MasnadaFausto/ITA/ANDRONI GIOCATTOLI – SIDERMEC)、トニー・マルティン(@tonymartin85/GER/ TEAM KATUSHA ALPECIN)の4人が逃げ集団を形成しようとしましたが、失敗。
マスナーダとマルティンは吸収されたものの、イリサル、バッレリーニは吸収される寸前で再び逃げ出し、今度はマキシム・ベルコフ(@BelkovMaxim/RUS/ TEAM KATUSHA ALPECIN)も合わせた3選手で逃げ集団ができました。
残り62.8km地点の中間スプリント・グアルディア・ピエモンテーゼ・マリーナまで何もなく進み、ではバッレリーニ、ベルコフ、イリサルの順でゲートを通過。
メイン集団ではマリア・チクラミーノのエリア・ヴィヴィアーニ(@eliaviviani/ITA/QUICK-STEP FLOORS)、ギョーム・ボワヴァン(@Guillaumeboivin/CAN/ISRAEL CYCLING ACADEMY)の2選手が積極的にポイントを獲得しました。
さらにそのまま進み、逃げ集団3人が残り50kmを通過したところでメイン集団とのタイム差は2分8秒。
もう一つの中間スプリントポイント・サンタ・マリア・デル・チェドロもベルコフ、バッレリーニ、イリサルの順でポイントを獲得。
メイン集団がポイント地点通過時点で1分45秒差、ヴィヴィアーニが先頭で通過します。
ラスト20km手前で一気にメイン集団がペースアップし、残り18.7km地点で1分差を切ります。
10km地点で形成した逃げ集団の3選手は、ラスト10kmを前にメイン集団に吸収されました。
バッレリーニは一度吸収されかけたときに逃げようとしましたが、結局大集団に。
ラスト5kmで国道18号線を降り、プライア・ア・マーレの街中に入ります。
ラスト4km地点でヴィヴィアーニはサバティーニを連れているものの集団後方にいて、位置取りは決して良くありません。
長い直線が続きますが、トラブルによる遅れを巻き返したニッコロ・ボニファジオ(@Bonifazio_993/ITA)を擁するBAHRAIN – MERIDA(@Bahrain_Merida)、TEAM LOTTO NL – JUMBO(@LottoJumbo_road)が先頭で引っ張りました。
後ろにはTEAM EF EDUCATION FIRST(@EFprocycling)もいて、エーススプリンターのサーシャ・モドロ(@SachaModolo/ITA/TEAM EF EDUCATION FIRST)もゴールスプリントに備えて温存します。
残り2kmを切ってからの長いストレートでは、TEAM EF EDUCATION FIRST、LOTTO FIX ALL(@lotto_soudal)、QUICK-STEP FLOORS(@quickstepteam)が引っ張りました。
フラム・ルージュ通過後はダニー・ファンポッペル(@Dannyvanpoppel/NED/TEAM LOTTO NL – JUMBO)、クリスティアン・スバラーリ(@Kri_s90/ITA/ISRAEL CYCLING ACADEMY)、モドロらが勝負のタイミングを伺います。
モドロが仕掛けた後にヴィヴィアーニが出るのを冷静に背後で待ったサム・ベネット(@Sammmy_Be/IRL/BORA – HANSGROHE)が2人を差してステージ優勝となりました。
第7スージ:ステージ順位
第7ステージではベネットがグランツール初勝利を飾りました。
- サム・ベネット(BORA – HANSGROHE):3:45:27
- エリア・ヴィヴィアーニ(QUICK-STEP FLOORS):+0:00
- ニッコロ・ボニファジオ(BAHRAIN – MERIDA)+0:00
- サーシャ・モドロ(TEAM EF EDUCATION FIRST):+0:00
- ダニー・ファンポッペル(TEAM LOTTO NL – JUMBO):+0:00
- ヤコブ・マレツェコ(@jakubmareczko/ITA/WILIER TRIESTINA – SELLE ITALIA):+0:00
- クレモン・ヴァントゥリニ(@ClemVenturini/FRA/AG2R LA MONDIALE):+0:00
- マッズ・ペデルセン(@Mads__Pedersen/DEN/TREK – SEGAFREDO):+0:00
- イェンス・デビュッシェール(@jensdebus/BEL/LOTTO FIX ALL):+0:00
- ユルヘン・ルーランツ(@jurgenroelandts/BEL/BMC Racing Team):+0:00
このステージ優勝で、ベネットは100ポイントの大台を突破。
マリア・チクラミーノ大本命・ヴィヴィアーニとの差をわずかに縮めました。
第7ステージ終了時点の総合順位
総合トップ10の順位、タイム差は第6ステージから変化がありませんでした。
- サイモン・イェーツ(@SimonYatess/GBR/MITCHELTON – SCOTT):22:46:03
- トム・デュムラン(@tom_dumoulin/NED/Team Sunweb):+0:16
- ヨアン・エステバン・チャベス(@estecharu/COL/MITCHELTON – SCOTT):+0:26
- ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(@pozzovivod/ITA/BAHRAIN – MERIDA):+0:43
- ティボー・ピノ(@ThibautPinot/FRA/GROUPAMA FDJ):+0:45
- ローハン・デニス(@RohanDennis/AUS/BMC Racing Team):+0:53
- ペリョ・ビルバオ(@PelloBilbao1990/ESP/ASTANA PRO TEAM):+1:03
- クリス・フルーム(@chrisfroome/GBR/Team Sky):+1:10
- ジョージ・ベネット(@georgenbennett/NZL/TEAM LOTTO NL – JUMBO):+1:11
- ファビオ・アル(@FabioAru1/ITA/UAE TEAM EMIRATES):+1:12
- 出走176選手/完走171選手/リタイア5選手(棄権3選手、途中棄権2選手)
- Maglia Rosa(総合首位)…サイモン・イェーツ(MITCHELTON – SCOTT):26:31:30
- Maglia Ciclamino(ポイント賞)… エリア・ヴィヴィアーニ(QUICK-STEP FLOORS):178ポイント
- Maglia Azzurra(山岳賞)…ヨアン・エステバン・チャベス(MITCHELTON – SCOTT):35ポイント
- Maglia Bianca(新人賞)… リチャル・カラパス(@RichardCarapazM/ECU/MOVISTAR TEAM):+1:23
4賞ジャージの顔ぶれにも変化はありません。
エドアルド・フロレス(@edozardi/ITA/WILIER TRIESTINA – SELLE ITALIA)が鎖骨骨折のため、残念ながらイタリア本土でのステージを走る前にジロを去りました。
第8ステージ概要
第8ステージは例によってブーツに例えると、正面のくるぶしから脛の下部を走るコースです。
地中海に面したコースと内陸のコースが半々くらいになっています。
- スタート:プライア・ア・マーレ
- フィニッシュ:モンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノ
- 総距離:209.0km
- 中間スプリントポイント:Agropoli、Salerno
- 補給地点:87km~90km地点
- 山岳:Montevergine di Mercogliano(2級)
- ステージ:中級山岳
- 開始時刻:11:55(日本時間18:55)
- ステージ難度:★★★☆☆
- 引用元:大会公式サイト内ステージ08コース紹介ページ
第6ステージ・エトナに続く頂上フィニッシュ。
2級山岳のモンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノを約1,200m上ります。
ジロには直近だと2011年大会第7ステージに登場しました。
当時と大きく異なるのは、ステージの距離。
2011年大会では110.0kmだった距離が今大会では209.0kmと約100km長くなっています。
当時のステージ優勝は、Omega Pharma Lotto(現・Lotto Soudal、今大会ではLOTTO FIX ALLとして参加)のバルト・デ・クレルク(@bartdc86/BEL/WANTY-GROUPE BOGERT)です。
ちなみに今大会参加選手で最上位に入ったのは、ステージ第3位のロマン・クロイツィゲル(@Roman86_K/CZE/MITCHELTON – SCOTT、当時ASTANA PRO TEAM)。
コースは最初の中間スプリントポイント・アグロポリに近づくにつれてアップダウンの高低差が大きくなり、アグロポリから次の中間スプリントポイント・サレルノまでの海沿いの道はほぼ平坦。
サレルノを超えると標高1,260mのモンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノを55kmで一気に駆け上がるコース設計になっています。
レース開始から国道18号線に乗るまでは昨日の第7ステージを逆走して、国道18号線に入ってからはさらに北西へ。
標高743mの小さな山・セッラ・ディ・カストロクッコの外周を通るコースで、こちらも第7ステージ同様にティレニア海に面していて、海からの潮風の影響が懸念されます。
アグロポリまでの道中では、アップダウンの激しい山の中にまざって南ヨーロッパらしい建物の街並が。
アグロポリを過ぎてからサレルノまでは山頂フィニッシュに向けて脚を休める時間になりそうです。
サレルノを通り過ぎた後は一気に北上。
ラスト15km地点の街・メルコニアーノにたどり着く2kmほど前から、平均勾配5%ほどの坂道がゴールまで続きます。
特にメルコリアーノを超えてからのラスト10kmはずっとスイッチバックが続き、終わりが見えずに気が遠くなりそうです。
ラスト1kmは平均勾配6.5%で、教会であるサントゥアリオ・ディ・モンテヴェルジーネの少し前でフィニッシュします。
第8ステージレース展望
第9ステージのグラン・サッソのパンチの強さも相まって、影が薄くなりがちな第8ステージ。
2級山岳とはいえ、モンテヴェルジネ・ディ・メルコリアーノの平均勾配は4.9%と、「激坂」と表現するには物足りません。
それにラスト10kmからのスイッチバックを見る限り、アタックもそう簡単には決まらないはずです。
第6ステージ残り1.5kmでサイモンが見せたような爆発力があれば話は別ですが、やはりグラン・サッソを考慮すると今日はその力の出しどころではないように思えます。
総合勢はこのステージでライバルに致命的な遅れをとることは考えにくいものの、タイムを稼げなくても失わずに乗り切りたいところ。
そうすると、やはりポイントはスイッチバックで集団からふるい落とされないことが重要になります。
もしふるい落とされても復帰は難しくないかもしれませんが、必要以上に脚を使うことになるので、やはりふるい落とされないことに越したことはありません。
総合優勝などに絡まない逃げ選手の逃げは注目で、ひょっとすると逃げ切りが決まる可能性も。
たとえば第5ステージまでマリア・アッズーラを守ったエンリーコ・バルビン(@barbenry/ITA/BARDIANI CSF)が逃げを決めれば、山岳ポイントは26ポイントとなり、2位につけることができます。
ジロ・デ・イタリア第8ステージは本日20:05からDAZNで生中継!
お見逃しなく!