【Giro d’Italia 2018】TAPPA04
こんにちは、スポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
グランツールの一つジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia)のコース紹介記事を毎日更新しています!
前日のレースの簡単な振り返りも行うので、レースを見逃した人はもちろん、レースを見た人もおさらいとしてご覧ください。
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第3ステージをプレイバック
イスラエル最終日となった5/6の第3ステージ、内陸・ベエルシェバ~港町・エイラートの229.0kmを振り返りましょう!
第3ステージ:レース展開
第2ステージとは打って変わって、逃げ集団はアクチュアル・スタートから5kmで確定しました。
昨日に引き続き逃げたギョーム・ボワヴァン(@Guillaumeboivin/CAN/ISRAEL CYCLING ACADEMY)とマリア・アッズーラを着用したエンリーコ・バルビン(@barbenry/ITA/BARDIANI CSF)、そしてマルコ・フラッポルティ(@MFrapporti/ITA/ANDRONI GIOCATTOLI – SIDERMEC)の3選手。
第2ステージの逃げ集団は集団形成後もあまりメイン集団を突き放せませんでしたが、今ステージでは集団形成後5kmで4分差、10kmで6分差をつけました。
そのままメイン集団は逃げ集団に対して最大6分の差をキープしつつ、最初の中間スプリントポイント・に突入。
数百メートル手前でボワヴァンが飛び出し、そのままトップ通過します。
フラッポルティとバルビンはボワヴァンの逃げを容認した形でしたが、そのままフラッポルティが2位、バルビンが3位でスプリントポイントを獲得しました。
メイン集団から飛び出したのは、昨日のステージ覇者・エリア・ヴィヴィアーニ(@eliaviviani/ITA/QUICK-STEP FLOORS)やサーシャ・モドロ(@SachaModolo/ITA/TEAM EF EDUCATION FIRST)といった、ゴール前スプリントでお馴染みのメンバー。
ヴィヴィアーニが4位通過、モドロが5位通過、6位にヴィヴィアーニのアシストをしたファビオ・サバティーニ(@SabatiniFabio/ITA/QUICK-STEP FLOORS)が入りました。
このあたりで逃げ集団とメイン集団の差は4分30秒ほどです。
その後も大勢が大きく変化することなく進みます。
次の中間スプリントポイントも逃げ集団の3人は同じ順番でゲートを通過。
さらに言えば、ヴィヴィアーニも同じ4位でミズペ・ラモンを通過しました。
ミズペ・ラモン通過後の4級山岳へ向かう際も、先頭集団とプロトンの差は4分~5分辺りで維持。
ずっと逃げ集団を率いていたボワヴァンがバルビンと言い争っているうちにフラッポルティがアタックを決め、山岳ポイントをトップ通過します。
そのあとバルビン、ボワヴァンと続きました。
プロトンは集団で一斉に山岳を通過し、逃げ集団に疲れが出てきたこともあって徐々に逃げ集団との距離が近づき始めます。
しかし残り68km地点では2分差にまで縮まって途中1分を切ったものの、残り42km地点では2分近くまで開くことに。
これはプロトンが追走スピードを緩めたためです。
残り14km地点で44秒差と、そのあともなかなか距離が縮まりません。
その5kmあとでようやく残り24秒となりました。
残り7.2kmでバルビルが逃げ集団から遅れ、そのころには10秒差に迫ったメイン集団に吸収されたのが残り6.5km地点。
そして200km以上の距離を逃げたボワヴァンとフラッポルティは、残り5.8km地点で集団に吸収されました。
5kmを切るとQUICK-STEP FLOORS(@quickstepteam)が4人体制になり、ギリギリまでマクシミリアン・シャッハマン(@MaxSchachmann/GER)やファビオ・サバティーニ(@SabatiniFabio/ITA)らがヴィヴィアーニを支えます。
先頭にはサム・ベネット(@Sammmy_Be /IRL)やリュディゲル・ゼーリッヒ(@RudiSelig/GER)を擁するBORA – HANSGROHE(@BORAhansgrohe)もQUICK-STEP FLOORSの左側から出てきました。
ラスト350mの直角カーブを曲がると、ヴィヴィアーニ、ベネット、そして第2ステージで5位に入ったサーシャ・モドロ(@SachaModolo/ITA/TEAM EF EDUCATION FIRST)の三つ巴に。
最終的にヴィヴィアーニがベネットらをかわし、ジロのステージ連覇を達成しました。
第3ステージ:ステージ順位
イスラエル最後のステージの順位を確認しましょう。
- エリア・ヴィヴィアーニ(QUICK-STEP FLOORS):05:02:09
- サーシャ・モドロ(TEAM EF EDUCATION FIRST):+0:00
- サム・ベネット(BORA – HANSGROHE):+0:00
- ヤコブ・マレツェコ(WILIER TRIESTINA – SELLE ITALIA):+0:00
- ダニー・ファンポッペル(@Dannyvanpoppel/NED/TEAM LOTTO NL – JUMBO):+0:00
- イェンス・デビュッシェール(@jensdebus/BEL/LOTTO FIX ALL):+0:00
- マヌエル・ベッレッティ(@Manuelbelletti/ITA/ANDRONI GIOCATTOLI – SIDERMEC):+0:00
- バティスト・プランカールト(DEN/TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:00
- マッズ・ペデルセン(@Mads__Pedersen/DEN/TREK – SEGAFREDO):+0:00
- ホセ・ゴンサルヴェス(@josegoncalvesim/POR/ TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:00
総合3位のゴンサルヴェスがステージでも躍進しています。
第3ステージ終了時点の総合順位
最初の休息日前の総合順位です。
- ローハン・デニス(@RohanDennis/AUS/BMC Racing Team):09:05:30
- トム・デュムラン(@tom_dumoulin/NED/Team Sunweb):+0:01
- ホセ・ゴンサルヴェス(TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:13
- アレックス・ドーセット(@alexdowsett/GBR/ TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:17
- ペリョ・ビルバオ(@PelloBilbao1990/ESP/ASTANA PRO TEAM):+0:19
- サイモン・イェーツ(@SimonYatess/GBR/MITCHELTON – SCOTT):+0:21
- マクシミリアン・シャッハマン(QUICK-STEP FLOORS):+0:22
- トニー・マルティン(@tonymartin85/GER/ TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:28
- ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(@pozzovivod/ITA/BAHRAIN – MERIDA):+0:28
- カルロス・ベタンクール(@cabg1989/OL/MOVISTAR TEAM):+0:29
- 出走176選手/完走175選手/リタイア1選手(棄権1選手)
- Maglia Rosa(総合首位)…ローハン・デニス(BMC Racing Team):09:05:30
- Maglia Ciclamino(ポイント賞)… エリア・ヴィヴィアーニ(QUICK-STEP FLOORS):130
- Maglia Azzurra(山岳賞)…エンリーコ・バルビン(BARDIANI CSF):5ポイント
- Maglia Bianca(新人賞)… マクシミリアン・シャッハマン(QUICK-STEP FLOORS):+0:22
今日は総合勢は集団内で大人しくしていたため、ランキングはほぼ変化がありません。
唯一変化したのは、総合3位だったヴィクトール・カンペナールツ(@VCampenaerts/BEL/LOTTO FIX ALL)が遅れを取り戻せずに総合15位に下がったこと。
総合4位だったゴンサルヴェス以降が繰り上がり、第2ステージ終了時に11位だったカルロス・ベタンクール(@cabg1989/OL/MOVISTAR TEAM)がトップテンに入りました。
第4ステージ概要
第4ステージからは舞台をイスラエルからイタリア・シチリア島に移動します。
シチリア島初日のコースを早速確認しましょう。
- スタート:カターニア
- フィニッシュ:カルタジローネ
- 総距離:198.0km
- 中間スプリントポイント:Palazzolo Acreide、Monterosso Almo
- 補給地点:95km~98km地点
- 山岳:Pietre Calde、Vizzini(以上4級)
- ステージ:中級山岳
- 開始時刻:12:15(日本時間19:15)
- ステージ難度:★★★☆☆
- 引用元:大会公式サイト内ステージ04コース紹介ページ
地中海沿いの街・カターニアから内陸のカルタジローネまでの198.0kmです。
スタート地点のカターニアは「いかにもヨーロッパ」という街並を体現した、茶色の屋根と薄い色の壁の建物が延々と続いています。
今大会で初めて山岳が複数登場するのが本日の第4ステージです。
コースマップをご覧いただければ一目瞭然ですが、このステージには細かいカーブがたくさんあります。
さらに下の高度表でもわかる通り、最初の4級山岳・ピエトロ・カルデに向けて少しずつ上ったあとは非常に細かいアップダウンが続くコースです。
最初の中間スプリントポイントであるパラッツォーロ・アクレイデの街中は車道でも石畳の場所が多く、細かいアップダウンも続くので、マリア・チクラミーノ争いにも影響を及ぼすかもしれません。
対して2つ目の中間スプリントポイントのモンテロッソ・アルモの車道はコンクリートになっているので、道幅がやや狭いことを除けば心配はいらなそうです。
モンテロッソ・アルモのあとはしばらく下り坂が続きますが、そのまま2つ目の4級山岳に突入するので必要以上に飛ばしすぎずペース配分をする必要があります。
ラスト10kmに入ってからも細かいカーブやアップダウンが続き、最後まで落ち着ける場所がありません。
さらに残り5km地点で勾配12%があるうえに、ゴール前400m地点で最大勾配13%を含む平均勾配8.5%の激坂フィニッシュと、とても2,000km以上の移動翌日とは思えないラスト。
イスラエルではカンペナールツ以外に大きな順位変動がなかった総合上位勢もシャッフルされ始める予感がする、そんなステージです。
第4ステージレース展望
高度表をご覧いただければお分かりいただけると思いますが、4級山岳は2カ所とはいえ中間スプリントポイントを含めて山岳ポイントに近い標高の峠が多数存在します。
ステージ難度★★★の評価以上にタフなコースです。
こういったステージでは逃げ集団形成に向けたアタック合戦、そして彼らの逃げ切り成功によるステージ優勝が予想されます。
イスラエルでの逃げ集団は第2ステージのラースユディング・バク(@LarsBak16/DEN/LOTTO FIX ALL)以外はプロコンチネンタルチームの選手でしたが、このステージではUCIワールドチームの選手にも逃げる選手が続出するでしょう。
その筆頭はマテイ・モホリッチ(@matmohoric/SLO/BAHRAIN – MERIDA)。
平坦ステージではありましたが、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージでも逃げ切りステージ優勝を決めました。
いま総合9位にいるポッツォヴィーヴォも上れる選手であるため、逃げ切りは失敗に終わってもエースの総合順位を押し上げることに貢献できる可能性はあります。
他の逃げ有力な選手を何人か挙げると、同じく昨年のブエルタ第5ステージで逃げ切ったアレクセイ・ルツェンコ(@AlexeyLutsenko3/KAZ/ASTANA PRO TEAM)、昨年のジロ第1ステージで大会初日から逃げてマリア・アッズーラを手にしたチェーザレ・ベネデッティ(@benedetticesare/ITA/BORA – HANSGROHE)あたりでしょうか。
総合勢はラストの激坂フィニッシュでライバルにタイムをつけられないように、終盤までは体力温存の方針を取るとみられます。
平均勾配8.5%になるのはラスト400mで長くはないものの、残ったアシストや展開などによってステージ順位がいくらでも変わる可能性を秘めているからです。
総合トップ2のデニス、デュムランともに上りはある程度できるので、彼らを追う総合勢はパンチャー系のアシスト陣を引き連れてできるだけ有利な状態で激坂へ突入したいところ。
そんなジロ・デ・イタリア第4ステージは本日20:05からDAZNで生中継!
第3ステージまではパレード・ランからの完全生中継でしたが、今日も19:15にレース開始と、第4ステージからは完全生中継ではなくなります。
ジロ・デ・イタリア公式Facebookページなど、海外のサイトでは最初からレースを追うことができるはずです。
まだ視聴可能なサイトを把握できていないので、情報をつかみ次第”#dazncycle”のハッシュタグをつけてTwitter(@akane_ikeno)でシェアします。
最初からでもDAZN放送部分だけでも、今大会のイタリアステージ初戦・ジロ第4ステージをお見逃しなく!