【Giro d’Italia 2018】TAPPA02
こんにちは、スポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
昨日から始まったジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia)のコース紹介記事を毎日更新しています!
本日からは前日のレースの簡単な振り返りも行うので、レースを見逃した人はもちろん、レースを見た人もおさらいとしてご覧ください。
大会公式Twitterアカウント(@giroditalia)や公式アプリも要チェックです!
第1ステージをプレイバック
昨日の第1ステージ、イスラエル・エルサレム市街地で行われた9.7kmの個人タイムトライアルを振り返りましょう!
ステージの概要などは昨日の記事をご覧ください。
第1ステージ:レース展開
個人タイムトライアルのため、開始時刻の13:50(日本時間19:50)から1人ずつエルサレムの街へ出発しました。
最初にイスラエルの地でグランツールのペダルを踏んだのは、ファビオ・サバティーニ(@SabatiniFabio/ITA/QUICK-STEP FLOORS)。
春のクラシックで大量の勝利をもぎとった青のジャージはエルサレムの街を13:26で駆け抜け、このタイムが一つの目安に。
後続の選手が徐々にサバティーニのタイムから記録を縮め、チームメイトのレミ・カヴァニャ(@remicav/FRA/QUICK-STEP FLOORS)が12:37で首位に立ちました。
その19人あとに登場したのが、ローハン・デニス(@RohanDennis/AUS/BMC Racing Team)。
彼は元々TTで定評があったものの、カヴァニャの記録に33秒をつける12:04で首位に躍り出ます。
その後もヴァシル・キリエンカ(@VasilKiryienka/BLR/Team Sky)などのTT巧者も続きますが、デニスの記録には誰一人敵いません。
ホセ・ゴンサルヴェス(@josegoncalvesim/POR/TEAM KATUSHA ALPECIN)が10秒差までは迫ったものの、そこから約50人の選手が走ってもデニスを脅かすことはできませんでした。
順位が動きかけたのは、残り20人を切ってから。
個人タイムトライアルのヨーロッパチャンピオン・ヴィクトール・カンペナールツ(@VCampenaerts/BER/LOTTO FIX ALL)がデニスと同タイムをマークしたのです。
秒までの時間は同タイムだったものの、コンマ単位の計測でわずかにデニスに及びませんでした。
その後もデニスの首位は変わらず、残り5人になります。
その中で特に高い注目を集めたのが、前回大会総合優勝かつTTスペシャリストでアルカンシエルを着用するトム・デュムラン(@tom_dumoulin/NED/Team Sunweb)、グランツール3冠に王手をかけたクリス・フルーム(@chrisfroome/GBR/Team Sky)、TTスペシャリストとして非常に有名な現・ドイツTTチャンピオントニー・マルティン(@tonymartin85/GER/TEAM KATUSHA ALPECIN)の3選手。
フルームが最後から5番目、マルティンが2番目、そしてデュムランが最終走者でした。
フルームは今ステージの試走中に落車し、出走はできるもののかなり派手に転倒したために安全策で行ったのか、それとも総合狙いで力を温存したのか。
どちらが理由かは定かではありませんが、好調時にフルームが見せるタイムトライアルの走りは影を潜め、ステージ順位は最終的に21位となります。
マルティンはコースとの相性がよくなかったのか、デニスから27秒遅れました。
それでも何とかステージ順位を1桁を死守
そしてデュムラン。
スタート直後のコーナリングからスピードが他の選手とは違い、序盤から個人タイムトライアル世界王者の格の違いを見せつけます。
Derech Ruppinでの通過タイム計測ポイントも全体首位で通過し、そのままデニスに2秒差をつけてフィニッシュ。
デュムランが総合首位となり、表彰台では前回大会最終日のミラノ以来のピンクのジャージに身を包みました。
第1ステージ:ステージ順位
では、第1ステージの個人タイムトライアルのトップ10を見てみましょう。
- トム・デュムラン(Team Sunweb):12:02
- ローハン・デニス(BMC Racing Team):+0:02
- ヴィクトール・カンペナールツ(LOTTO FIX ALL):+0:02
- ホセ・ゴンサルヴェス(TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:12
- アレックス・ドーセット(@alexdowsett/GBR/TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:16
- ペリョ・ビルバオ(@PelloBilbao1990/ESP/ASTANA PRO TEAM):+0:18
- サイモン・イェーツ(@SimonYatess/GBR/MITCHELTON – SCOTT):+0:20
- マクシミリアン・シャッハマン(@MaxSchachmann/GER/QUICK-STEP FLOORS):+0:21
- トニー・マルティン(@tonymartin85/GER/TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:27
- ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(@pozzovivod/ITA/BAHRAIN – MERIDA):+0:27
チームとしてはTEAM KATUSHA ALPECIN(@katushacycling)がトップ10に3選手を送り込み、2位のTeam Sunweb(@teamsunweb)に33秒差をつけて圧勝。
今大会のMITCHELTON – SCOTT(@MitcheltonSCOTT)ダブルエースの一人・サイモンが上々の滑り出しを見せ、エステバン・チャベス(@estecharu/COL)をカバー。
本来はチャベスがメインのエースでサイモンは補佐的なエースだったものの、ステージが進むにつれてサイモンが本格的にエースを張る可能性もあります。
第1ステージ終了時点の総合順位
第1ステージはステージ順位がそのまま総合順位になるので、上記と同じです。
- トム・デュムラン(Team Sunweb):12:02
- ローハン・デニス(BMC Racing Team):+0:02
- ヴィクトール・カンペナールツ(LOTTO FIX ALL):+0:02
- ホセ・ゴンサルヴェス(TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:12
- アレックス・ドーセット(TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:16
- ペリョ・ビルバオ(ASTANA PRO TEAM):+0:18
- サイモン・イェーツ(MITCHELTON – SCOTT):+0:20
- マクシミリアン・シャッハマン(QUICK-STEP FLOORS):+0:21
- トニー・マルティン(TEAM KATUSHA ALPECIN):+0:27
- ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(BAHRAIN – MERIDA):+0:27
- 出走176選手/完走175選手/リタイア1選手(棄権1選手)
- Maglia Rosa(総合首位)…トム・デュムラン(Team Sunweb):12:02
- Maglia Ciclamino(ポイント賞)… トム・デュムラン(Team Sunweb):15ポイント
- Maglia Azzurra(山岳賞)…該当なし
- Maglia Bianca(新人賞)… マクシミリアン・シャッハマン(QUICK-STEP FLOORS):+0:21
スプリントポイントはないものの、ステージ順位をそのまま流用する形でデュムランがポイント賞も獲得。
デュムランがジャージを2着獲得しているため、本日の第2ステージでは繰り下げで次点のデニスがマリア・チクラミーノを着用します。
今大会最初の新人賞ジャージは、総合第8位のシャッハマンの元へ。
今年25歳以下の誕生日を迎えることが受賞条件なので、1993年以降に生まれた選手で一番総合順位が高い選手が袖を通します。
第1ステージ開始前の試走でフルーム同様に落車し、鎖骨を骨折したカンスタンティン・シウツォウ(BLR/BAHRAIN – MERIDA)はスタート前に棄権となりました。
試合前は悪天候も予想されましたが、サバティーニが出走してからデュムランがゴールするまで、雨はまったく降らず。
雨によるアクシデントはなかったものの、シウツォウ含め3人の選手が試走で転倒しているので、第1ステージはそれだけ高等な技術が求められるコースだったのでしょう。
第2ステージ概要
第2ステージはハイファをスタートしてテルアビブまで走る、地中海沿いのコースです。
昨日の第1ステージが個人タイムトライアルだったため、ジロ2018年大会のロードレース初戦はこの第2ステージといえます。
では第2ステージの概要を確認しましょう!
- スタート:ハイファ(イスラエル)
- フィニッシュ:テルアビブ(イスラエル)
- 総距離:167.0km
- 中間スプリントポイント:Acres、Caesarea
- 補給地点:81km~84km地点
- 山岳:Zikhron Ya’aqov(4級)
- ステージ:平坦
- 開始時刻:13:50(日本時間19:50)
- ステージ難度:★☆☆☆☆
- 引用元:大会公式サイト内ステージ02コース紹介ページ
スタートからしばらくは内陸を走り、唯一の山岳・ジフロン・ヤアコヴ(Zikhron Ya’aqov)を超えた後は地中海沿いをひたすら南下します。
海沿いのコースに入ってからはハイウェイ2(マップ上で水色の線が引いてある箇所)をなぞるように進むため、非常にフラットなのが特徴。
ハイウェイ上は日本の高速道路を運転しているときと同様に街並みも非常に殺風景です。
ゴール地点・テルアビブは各国が在イスラエル大使館を置いたりするなど、中東有数の世界都市なので都市部はかなり栄えています。
実際にゴールが置かれるKaufmann Streetはハイウェイを降りるものの、海沿いの大通り。
ヤシの木が沿道に等間隔で並ぶような、そんなフィニッシュ地点になります。
片道3車線と道幅も広くラスト4.3kmは緩やかに下るので、ゴールスプリントは集団がハイスピードで飛び込んでくることが有力。
そのため、集団落車などのアクシデントが懸念されます。
78.7km地点のEn Tut インターチェンジと91.0km地点からの4級山岳・ジフロン・ヤアコヴ以外はほ本当にフラットなコースです。
山岳も2.65kmと短めではあるものの、最大勾配は13%を記録しているので距離の短さほど簡単ではありません。
今大会最初のマリア・アッズーラが決まるポイントになるので、山岳ポイントの行方も注目です。
ラスト1kmでは街中ならではの環状交差点やスピード抑止帯が障害となるでしょう。
これらのポイントでスピードを抑えずに好位置をキープしたままホームストレートに突入すること、それができるだけのアシストを残しておくことがステージ優勝へのカギになります。
第2ステージレース展望
山岳ステージが多く、スプリント泣かせとの声もあちこちから聞こえる今大会。
数少ない平坦ステージかつ今大会のロード初戦となる第2ステージは、スプリンターの争いになることが予想されます。
スプリンターといえば、この春のクラシックを荒らしに荒らしたQUICK-STEP FLOORS(@quickstepteam)。
今大会ではTeam Skyから移籍したばかりのエリア・ヴィヴィアーニ(@eliaviviani/ITA)をエースに据えました。
徹底的にグランツールの総合優勝を目指すことを目標としている古巣ではスプリンターとしてグランツールに起用されることがほとんどなく、「キャリア最大の決断」として現チームに移籍。
今シーズンは既にドバイツアー総合優勝やアブダビツアーのポイント賞など、説明不要なほどの目覚ましい活躍を見せています。
ここまでの活躍っぷりはもちろん、チームが彼を中心にステージ勝利の量産に重点を置くことを公言しているため、平坦ステージにおいては彼の一挙一動が集団に影響を与える可能性は大です。
もちろんスプリンターはヴィヴィアーニだけではありません。
BORA – HANSGROHEのサム・ベネット(@Sammmy_Be/IRL)や地元のサーシャ・モドロ(@SachaModolo/ITA/TEAM EF EDUCATION FIRST)など、他にも注目すべきスプリンターはたくさんいます。
とはいえ、山岳ステージが多い今大会ではクライマーなどの山岳要員を重視したチームも多く、出走しているスプリンター自体がそれほど多くないのも事実。
ラスト1kmもフラットでスプリンター向きのコースであることは間違いありませんが、発射台をはじめとするアシスト陣やデュムランにつけられた差を早めに取り返したい総合勢など、他の選手にも注目です!
ジロ・デ・イタリア第2ステージは本日19:40からDAZNで生中継!
昨日の個人タイムトライアルを見逃しても第2ステージからでも楽しめるので、お見逃しなく!