【Giro d’Italia 2018】TAPPA01
こんにちは、スポーツライターのAkane(@akane_ikeno)です。
本日から開催されるグランツールの一つジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia)のコース紹介記事を毎日更新します!
休息日(5/7、5/14、5/21の各月曜日)はそれまでのステージの振り返り記事を更新予定です。
大会公式Twitterアカウント(@giroditalia)や公式アプリも要チェック!
イタリア語だけでなく英語でツイートしてくれたり、公式サイトやアプリはスペイン語にも対応しています。
今大会の見どころ
今年のジロ・デ・イタリア(以下:ジロ)の全日程のコースマップです。
今大会はイスラエルで第3ステージまでを戦った後に休息日を経てイタリア・シチリア島へ移動。
シチリア島でも3日間のレースを終えた後はイタリア本土へ移動し、反時計回りにイタリアをまわってローマで大会を締めくくります。

今大会の選手ではディフェンディングチャンピオンのトム・デュムラン(@tom_dumoulin/NED/Team Sunweb)と、年度跨ぎのグランツール3冠に王手をかけているクリス・フルーム(@chrisfroome/GBR/Team Sky)に大きな注目が集まっています。
特に昨年末からサイクルロードレース界を賑わせているフルームのドーピング疑惑は宙ぶらりんの状態で、観客はもちろん選手や関係者にもフルームの出場を快く思っていない人も少なくありません。
デュムランとフルームの対決を彼らをアシストするチーム全体も考慮すると、チーム力じたいはフルーム擁するTeam Skyのほうが上。
でも過去にも散々指摘されている通り、Team Skyとジロの相性はよくありません。
前回大会の最上位はミケル・ランダ(@MikelLandaMeana/ESP/現・MOVISTAR TEAM)の17位。
昨年出場した3選手が今年も継続して出場しますが、現役最強と言われるフルームが参加するからにはそれなりの結果が期待されます。
総合優勝争いは上記2選手と開催国・イタリアのチャンピオンによる「2強+1」体制が有力。
2強争いに割って入る「+1」となる現イタリアチャンピオンは、もちろんファビオ・アル(@FabioAru1/ITA/UAE TEAM EMIRATES)。
昨年の第100回記念大会の開幕地は地元・サルディーニャだったものの、直前の怪我でスタートラインにすら立てず。
彼にとっての今大会のテーマの一つは昨年のリベンジになりそうです。
2014年大会は総合3位、2015年大会は総合2位と表彰台を1段ずつ上がり、2016年大会と2017年大会は不参加。そうなれば当然、アルが見据えるのはローマで表彰台の一番高いところに上ること。
ジロの前哨戦といわれるツアー・オブ・ジ・アルプス(4/16~4/20)では総合6位につけたものの、アルより上位5人のうち4人はジロでも各チームのエースとなります(4位がフルーム。デュムランが所属するTeam Sunwebは大会不参加)。
アルの上位にはミゲル・アンヘル・ロペス(@SupermanlopezN/COL/ASTANA PRO TEAM)もいたため、決してアルの3番手が安泰とも言えません。
彼がマリア・ビアンカの最有力候補なのは言うまでもありませんが、昨年のブエルタ・ア・エスパーニャで山岳ステージ2勝を挙げ、当時のエースだったアルを差し置いてチーム最高順位になったのは記憶に新しいところ。
今回の総合争いに絡んでくる可能性も十二分に考えられます。
コースや注目選手をざっくり挙げたものの、結果はレースを見るまでわかりません。
今日の第1ステージから全試合必見です!
第1ステージ概要
今回のジロは中東・イスラエルで初日を迎えます。
非ヨーロッパでの初日スタートは今大会で101回目を数えるジロだけでなく、7月のツール・ド・フランス、8月~9月のブエルタ・ア・エスパーニャを含めたグランツールでも初の出来事。
ヨーロッパ圏外ということで心配されていたイタリアとの時差も実は1時間なので、休息日の選手の負担も最小限に留められそうです。
東京にジロ誘致するって話が本当だとしたら、正気かよ選手のこと考えろって言いたくなりますよね。
ということで、早速第1ステージの概要を確認しましょう!
- スタート:エルサレム(イスラエル)
- フィニッシュ:エルサレム(イスラエル)
- 総距離:9.7km
- 中間スプリントポイント:なし
- 補給地点:なし
- 山岳:なし
- 通過タイム計測ポイント:Derech Ruppin
- ステージ:個人タイムトライアル
- 開始時刻:13:50(日本時間19:50)
- ステージ難度:★★★☆☆
- 引用元:大会公式サイト内ステージ01コース紹介ページ
個人タイムトライアルでジロが開幕するのは2016年の第99回大会以来2年ぶり。
初日は世界遺産に登録されているエルサレム旧市街をスタート/ゴール地点にしている9.7kmの個人タイムトライアルです。
コース周辺にはイスラエルの国会であるクネセトや嘆きの壁、聖墳墓教会、岩のドームといったイスラエル特有の宗教的な建築物が点在します。
とはいえ、見るからに観光地だったり宗教色が強いのは聖墳墓教会と岩のドームくらいで、全体的にベージュっぽい薄茶色の壁が多いのでイスラエルを前面に押し出したような演出は難しそうです。
公用語のヘブライ語またはアラビア語で書かれた道路標識は、グランツールを毎年観戦しているファンでも馴染みは薄く、とても新鮮なはず。
イスラエルの建築物はやはりヨーロッパのそれと異なり、街自体もきれいに整備されているけど何か違う、そんな独特な雰囲気が漂います。
コース自体は細かなアップダウンはあるもののそれ以上にテクニカルなカーブが多く、元々のタイムトライアルの得意・不得意やバイクコントロールの技術でゴール地点のタイムはかなり大きく変化します。
通過タイム計測ポイントのDerech Ruppinはコースの中間地点を少し過ぎた5.1km地点です。7.3km地点で一度トンネルに入りますが、距離も短いうえにトンネルの出口からの太陽光もさしていて明るいので、トンネルを出た途端一気に眩しく感じることはなさそうです。
ラスト400mは緩やかな上りになっていますが、その後半で最高勾配9%の地点もあり、そこの踏ん張り次第で数秒の影響は出るでしょう。
10km未満と個人タイムトライアルにしても距離が短いほうで、TTスペシャリストの中には実力発揮にはもう少し距離が欲しい選手もいるはず。
逆を言えば、短い距離で爆発的な力を出すスプリンター勢にもチャンスはあるかも…?
第1ステージレース展望
前回個人タイムトライアルで幕開けしたジロ2016年大会の第1ステージの優勝者はデュムラン。
説明不要のITT巧者かつ今大会の1番ゼッケンの持ち主であることからも、今ステージ注目選手の筆頭です。
ほかにもBMC Racing Teamのエースナンバーを付けるローハン・デニス(@RohanDennis/AUS)、2011年~2016年の世界選手権ITT6大会中4大会を制したトニー・マルティン(@tonymartin85/GER/TEAM KATUSHA ALPECIN)、昨年の最終ステージのITT覇者ヨス・ファン・エムデン(@josvanemden/NED/TEAM LOTTO NL – JUMBO)など、トップクラスのTTスペシャリストが揃っています。
もちろんTTスペシャリスト以外にもツール2017年大会、ブエルタ2017年大会からのシーズン跨ぎでのグランツール3冠を目指すフルームが初日からマリア・ローザを獲得する可能性も少なくありません。
ドイツ・デュッセルドルフで行われたツール2017年大会第1ステージの個人タイムトライアルでは、雨天の影響でエース級の大物選手のリタイアが相次いだこともあり、天候が気になるところです。
現時点(2018/5/4 11:50現在)で最高気温32℃、降水確率50%と、雨による滑車の可能性も否めません。
5月上旬にして真夏日ということで選手のコンディションやピーキングの結果が如実に結果に表れるでしょう。
ITTが得意な選手と苦手な選手のタイム差が実力以上に広がる予感です。
そんなジロ・デ・イタリア第1ステージは本日19:40からDAZNで生中継!
2018年のグランツールの開幕戦をお見逃しなく!